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予習の分類学 - 美術鑑賞の「準備」について
美術展に行く際、事前に予習をすべきかどうか。
また、どれだけ準備をすべきか。
地味に悩ましい問題です。
私は割とする方だと自認しているのですが、時間的都合や既に十分知っている作家については省略することもしばしば。一方、好きな作家であれば専門書や論文に挑戦してみることもあります。
また、「予習」の"期間"をどこまでとするかも問題があります。たとえば「予習はしない」という人でも、全くの門外漢と美術史の先生とではニュアンスがだいぶ変わってきます。色々な展覧会を観ていると、「過去に観た展覧会で得た知識・経験が役に立つ」なんていうこともあって、そういうことであればこれも広義には「予習」なのでしょう。
もちろん「ここまでやっておいてください」などとは言えません。それでは学校と変わらなくなってしまい、美術館・博物館特有の自由な形式で作品・資料を展示することをそもそも否定してしまっています。レジャーとして「楽しかったな」でも良いですし、引き返せないぐらいに深入りするのも自由、それが許されるのが博物館という場所です。スタンスの異なる鑑賞者に対し、画一的な方法を提案することはできません。
しかし、裏を返せば「鑑賞スタンスがわかれば、こちらもある程度アドバイスはできる(かも)」と言えます。例えば単なるレジャーで楽しむなら予習をしてもあまり意味がないということになりますし、逆に作品をディープな部分で楽しみたいということであれば、ある程度予習をしないとその前段階で躓いてしまいます。
というわけで、なんとなくの目安として「予習の段階表」なるものを試作してみました。
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出来としてはまだβ版ぐらいなイメージですが、このように分類してみると、自分がどのレベルにいるのか、どの程度の予習が適しているのかが見えてくるのではないでしょうか。
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