VCなんて怖くない さあ機材沼へようこそ!
1:イヤホン・ヘッドホン・スピーカー編
結論:自分の好きなのにするがよい。
人によってイヤホンを長時間つけていると耳が痛くなるとか、ヘッドホンを長時間つけていると頭が痛くなるとか、家庭の事情でスピーカーが使えないとか、色々あると思います。なので、自分が一番やりやすい方法で構いません。
個人的には、「側圧があまり強くない(頭を両脇から押さえつけない)」「重すぎない(300g以下、できれば250g前後)」「アラウンドイヤー型(耳の上に載せるタイプではなく、耳を全部覆ってしまうタイプ)」ヘッドホンが割と負担がかかりにくいと感じます。ただ、自分の頭に合わないと結局長時間つけられないので、ヨドバシとかでたくさん試してみるのをお勧めします。
音質、価格、装着感から、僕が一番お勧めできるヘッドホンはSennheiser HD599です。しょっちゅうAmazonのセールで狂気の安さ(半額とか)になってますが、付け心地がよくて音質も素晴らしくて250gというとんでもないスペックを誇ります。
もっと沼に分け入りたい方は個別に相談してください。といってもそこまで高級なのは僕は持ってませんが(高い上に重いから)
イヤホンは、音質にこだわってもいいですし、ブームマイクみたいなやつがついてるゲーミングイヤホンでもいいです。でも無線はBluetoothだと遅延があるのでお勧めしない。Aptx-LLもしくはFaststreamであれば遅延が無視できる程度で収まります。
※マイク付きがいいかマイクなしがいいか
イヤホンならマイク付きでいいと思います。
ヘッドホンだと、重さとのトレードオフになります。特に無線ついてると重さが一気に増えるので要注意です。
個人的にはアシダ音響の超軽量ヘッドセットなんかいいんじゃないかと思ってるんですけど。。。。
2:マイク編
お前を沼に 落とす前に 言っておきたい ことがある
でぇじょぶだ、PCとかスマホについてるマイクじゃなけりゃどうにでもなる!!!!!
ものすごくぶっちゃけると、イヤホンでもヘッドセットでも、マイク付きのやつだったら大体音は大丈夫です。
普段スピーカーで遊んでいる人だったら、マイク付きのヘッドセットやイヤホンが結局一番お手軽です。
ただし、上でも書いた通り、ヘッドセット(マイク付きヘッドホン)の場合には重さが問題になります。あまり頭に重いものを載せたくないとか、音質に拘り出した場合は、別付マイクを使うことになります。
ここでまず、マイクでPCに音を入力するとはどう言うことかをさらっとおさらいします。
・まず、我々が声を出します。
・その音波(アナログ)をマイクが拾って電気信号に変換します。
・電気信号を、PCやスマホ、ゲーム機が使えるデジタルデータに変換します。
・そのデータがDiscordのサーバーに送られ、ボイスチャットで流れます。
なので、必要なのは「マイク」「デジタルデータへの変換装置」です。
イヤホンジャックタイプのマイクをPCに直接繋ぐ時や、USBマイクをPCに繋ぐときは、すでにこの時点で「デジタルデータへの変換」ができる装置が組み込まれているので気にする必要はありません。
ですので、将来「歌ってみた」「ASMR配信」みたいな音質にこだわる活動をやりたいとか、機材沼に浸かりたいと言う方以外は、イヤホンジャックタイプかUSBのマイク(ヘッドセット)を買うのがお勧めです。
追加の機材が必要になるのは、以下の2つのパターンです。
イヤホン・ヘッドホンとマイクを別々のミニジャック(いわゆるイヤホンジャックみたいなやつ)で使いたいが、PCの入力口が1つしかない。
→USBもしくはミニジャックに刺せるアダプター(サウンドカード)を購入してください。USBのほうがおすすめです。
たとえば:https://amzn.asia/d/ev0ap9x
なんかつなぐとこがでっかくて太くて丸いやつなんですけど
→沼へようこそ。いわゆるXLRケーブル(キャノン=大砲ケーブルとも)と言われるタイプのケーブルを使う、ガチのマイクです。
・XLR-USBケーブルを買う(商品数は多くなく、あまり音質もよくない)
・XLR-3.5mmケーブルを買う
https://amzn.asia/d/bYJ9cQh
・XLRケーブルとオーディオインターフェイスを買う(推奨:一番遊べる)
この3つの選択肢があります。3.5mmケーブルの場合は、上記のUSBサウンドカードも合わせて購入することになるかと思います。
(ヘッドセットでない場合)どういうマイクを買えばいいのか
迷ったら「USB接続の」「カーディオイド(単一指向性)もしくはハイパーカーディオイド」を買えば良いです。単一指向というのは、要は一方向からの音声を集中して拾うと言う意味なので、横や背後からの音を拾いにくくなります(※多少は拾います)。代わりに、マイクの正面から話さないと声が聞こえづらくなります。
また、「マイクとノイズ元を遠ざける」「マイクを口元に近づける」を意識することで、マイクのゲイン(=入力レベル)をあげずに声をマイクで送れる=ノイズが減ることにもつながります。元々のマイクの性能がそれほど高くないとはいえ、ヘッドセットマイクやラベリアマイクは距離の面で有利と言うことになります。
ちなみに、マイクは口の正面ではなく「斜め横、口から20cmくらいの距離」に置くと、息がかかってノイズが入ることを避けられます。
大きなマイクを置く場所がない場合、ラベリアマイク(いわゆるピンマイク)という選択肢もあります。
たとえば:(他にもたくさんあるので検索してください)
デスクトップマイクのおすすめ:こういうやつ
個人的にはちょっとでかいけど今激安だし音もめちゃくちゃいいこれが大好き(持ってます)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/269265/
本当はマイクの位置を調整するためにマイク+マイクアームの組み合わせの方が良いのですが、場所とか予算とかにも関わってくるので、こだわりのない人は上記のような「置けるマイク」で良いと思います。
予算とスペースが確保できる前提で、機材に興味があるとか、ノイズを減らすために口元にマイクを持ってきたいと言う方は、ぜひマイク+マイクアームの組み合わせにチャレンジしてください。
予算、と言いましたが実は入門ならそこまで費用は掛からないです。
これもAmazonで定期的に投げ売り価格になるMarantz ProfessionalのUSBマイクは非常にコスパが良くてお勧め。最後にUと付いているのがUSBマイクです。
前述のデスクトップマイクも、たいていはマイクスタンドに対応しています。なので、卓上に置いてるとノイズが多いなあ、タイプ音やPCのファンの音を拾うなあ、声が遠いなあ、などと思ったらマイクスタンドを導入することもできます。
マイクアームはできればある程度の重量に耐えるものが良いです。定番はこのへん。
ですがちょっとお高いので、安い中華メーカーのを買うときにはレビューを見て「重いマイクでも大丈夫」というコメントが付いている物を買って下さい。
重量に堪えないと、使っている途中でマイクが下がってしまって、アームの意味がなくなります。
ちなみに僕は設置体制の関係で、上記のオーテクからこちらに変えましたが悪くないです。
値段もおやすめですが、キーボードで知られた日本メーカーなので一応安心。
XLRマイクのおすすめ:いっぱいある!!!!沼!!!!!あとオーディオインターフェイス必要!
詳しくは次の記事!
とりあえずShure SM58を買っておけば大体なんとかなるよ。
僕のイチオシはEarthworksです!!!!!!
XLRマイクはオーディオインターフェイスが必要になり、いろいろと(予算やセッティングが)変わりますので、別記事を建てたいと思います。
オーディオインターフェイスをいれるとPCから流す音もよくなるので、本当はオーディオインターフェイス+マイク+マイクアーム+ヘッドホン(イヤホン)をお勧めしたいです。
マイクの音質はレビュアーさんがいるので好みのを見極めてください。
僕のおすすめレビュアーさんはこの二人
https://music-thcreate.com/ (日本語:オーディオインターフェイスなどもたくさんレビューされています)
https://www.youtube.com/@Podcastage (英語)
3:音声処理編
ここからはPCのDiscordが前提になります。
・ノイズを減らしたい(エアコンの音とか、外の電車の音とか)
・家族のおしゃべりテロを回避したい
・自分の声を綺麗に聴かせたい
・生声を聞かせたくない(加工したい、ボイチェンしたい)
など、音声を色々と調整したい場合には、音声加工ソフトが必要になります。
一番やすくて便利なのは「仮想ミキサーソフトにプラグイン(無料のものからン万円の者まで色々)を入れて処理する」と言うものです。
仮想ミキサーにはいろいろありますが、ゲーマー向けに機能が揃っていることを考えると、最近はElgatoのWave Linkが便利なんじゃないかなと思います。
これには純正でノイズ除去プラグインなどが準備されています。(elgatoのマーケットプレイスから無料で購入)
また、VSTと呼ばれるタイプのプラグインを追加することで、他にも様々な機能を使うことができます。
VCに役に立つだろうものはノイズ除去の他に4つ
・コンプレッサー(音がデカくなったときに抑えてくれるので声が割れなくなる)
・ノイズゲート(一定の音量以下しか入ってこないときは、マイクの音を拾わない。家族から声をかけられても、ちょっと遠くなら聞こえなくできます。ただし「自分が話しているときは、家族の声などもマイクに乗ります」)
・デノイズ(人間の声ではないものをデジタル処理で消してしまう。
・ボイスチェンジャー(音程や声質を変換する)
VCが苦手な方には、ボイスチェンジャーをめちゃくちゃおすすめします。と言っても大きく声を変えるのではなく、ほんの少し音程を上げたり下げたりして、特定できなくするくらいの変え方で使います。(ピッチとフォルマントをそれぞれ±2〜4くらい)
無料のボイチェンプラグインとしてはGraillon2がおすすめです(一時、メインで使っていました)
それ以外のプラグインについては、 「VST (希望の機能)」で検索してみてください。
有料のものだと、デノイズなどはiZotope RX10とかが定番かと思います。
4:ゲーム機+PCのDiscordで両方の音声を聞きながらVCする(話す)には
前提として、可能であればゲームを遊んでいる本体でDiscordを使うのが一番シンプルです。PS5であれば、対応しているUSBヘッドセットや、コントローラーに刺すヘッドセットが使えるはずです。
それでも、どうしても、ゲーム機上でプレイしながらPC上で音を聞きたい場合は、選択肢は3つ(現実的には2つ)となります。
A:イヤホンとヘッドホンを両方使う
特殊なイヤホン(骨伝導とか、外の音が聞けるアンビエント型とか)があれば可能ですが、現実的でもないしあまり快適でもないです。どうしてもと言う場合は、若干遅延しても平気なPCのほうに骨伝導イヤホンを使うとかかな。。。
B:PCにゲーム機の音声を取り込む
厳密には、音声と映像をPCに取り込み、音だけを聞く形になります。
これに必要なのは、「キャプチャーカード」と呼ばれる装置です。HDMIの映像と音声をPCに取り込みつつ、ディスプレイ(テレビ)側にも流してくれます。
PC側では、上記の仮想ミキサーソフト上で「ゲーム機から入ってきた音」と「PC上の再生音(Discordの他の人の声)」を混ぜてヘッドホン等に出力することになります。
Wave Linkを使っている僕のPC上ではこんな感じ(僕はMainstageという仮想ミキサーでボイチェンをかけているので、これがマイクだと思ってください)
キャプチャーボードを選ぶときは、パススルー(ゲーム機から流れてくる映像と音をディスプレイに流す部分)で「遅延が少ない」「FPSが一定(60)以上確保できる」だけは意識して、あとは予算と趣味で選べばいいと思います。
僕はElgatoやIO Dataを使っていますが、Avermediaも昔から評判がいいですね。
3:2つの音源を良さげにミックスしてくれる機材を使う
PCさえあればそちらの方が手っ取り早いのであんまりお勧めしません。
これからスピーカーを購入しようと思っている方の場合は、こういう「複数の入力ができるスピーカー」を使うと対応可能です。
https://jp.yamaha.com/products/proaudio/speakers/hs_3_4_inches/index.html
その他にも、「PCとオーディオインターフェイスを繋ぎ、そこに音声を出力だけして、さらにテレビなどからステレオもしくはデジタルで音を入力する」とか「PCとテレビの両方から、独立型のオーディオインターフェイスにステレオもしくはデジタルで音を入力する」とかのやり方もあるのですが(実は僕は、配信するとき以外はその環境でやっています)、機材が余分に必要なのでたまたま余ってるとかでないとおすすめはできません。
オーディオインターフェイスを2台も3台も買うなら、普通にいいオーディオインターフェイスとキャプチャーボードとマイクを買うのがいいよ!!!!!
おまけ:スピーカーで聴くのはありかなしか
あくまで個人的にはですが、「なし」です。
マイクのノイズを減らすために指向性を選んだり、口元からの位置を調整したり、アプリ処理をしたりするわけですが、そもそも一番大事なのは「ノイズをできるだけ入れない」ことです。
マイクは、どれだけ指向性が高くても(ショットガンマイクのような特殊なマイクは別ですが、それはこの記事では対象としないマニアが使うタイプのものです)、どうしても横や後ろの音を拾います。そこそこ拾います。どれくらい拾うかは、podcastageさん(英語)のマイクテストで毎回「横や裏からどれくらい拾うか、そのときどれくらい音が歪むか」を検証しているので、一本見れば大体わかるかと思います。
もちろんヘッドホンやイヤホンが合わない人はいるので、そう言う人に絶対にスピーカーを使うなとは言わないのですが、マイクで人の声を取る際の原則が、余計な音を入れないことなのです。そして、案外ゲーム音って(劣化して)マイクに拾われています。だから、マイクが音を拾わないように、イヤホンやヘッドホンを使うのは、一緒に遊ぶ人への誠意、配慮として歓迎されるべきことじゃないかなと思います。
他の人が大丈夫だと言っても、それは「あなたの声を聞き取るのに差し支えはない(ノイズは聞こえるけどね)」くらいだと思っておいた方がいいです。