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2024年8月の記事一覧
『犯罪と刑罰』を十倍楽しむためのブックリスト10/小谷眞男
1)ドストエフスキー『罪と罰』(数種の翻訳あり)
死刑判決を受け、服役した経験もあるドストエフスキーは、『カラマーゾフの兄弟』に至るまで罪と罰ないし犯罪と刑罰の問題を生涯考え続けた作家である。『犯罪と刑罰』もロシア語訳で読み、『罪と罰』構想の源泉のひとつとなった。はたして『罪と罰』が発表されたのは、『犯罪と刑罰』第5版刊行のちょうど百年後にあたる1866年であった(ドストエフスキーとベッカリー