暗黙の了解とカルテルについて考えてみる
まずは、X(旧:Twitter)で話題になったこちらのツイート
SlimeVRトラッカー(私の把握してる範囲)
新人倉庫さん 11400円(1900円×6)
霧雨工房さん 15000円
ぽてすとさん 12500円
私 16000円
このツイート主が言われるように確かに破格の値段です。
競合よりも2-3倍近く安い値段での提供、これに対して「安く売られると困りますよ」といった内容の意見
商売をしていれば競合が市場より遥かに安い値段で売ろうが、高い値段で売ろうが本人の自由です。
実際にこのツイートはかなり炎上しており、批判の内容としても自由だろといった類のものが見受けられます。
しかし、問題になっているのは「暗黙の了解」の部分です。
これはカルテルともとれるのではないかと言われています。カルテルは市場独占にあたる行為で、簡単にいうと競争を避けるために値段等について、複数の事業者間で決めてしまうというものです。
カルテルが行われると、健全な競争が阻害されて消費者が不利益を被ることになります。なので禁止されています。
実際今回のように、新規参入者が低価格で提供をしようとしたところで、既存の販売者が「その値段で売られると困ります」といった内容のツイートをするケースはいくつかあります。
覚えている範囲でも、情報商材関連のものとVtuber絵師のイラストとか。新規参入者が売れるためや売った実績を作るためには、既存参入者よりも高い品質で提供するか、安い値段で提供するか、または別の付加価値をつける必要があります。
なので新規参入者として安い価格で提供することは間違っていません。
しかし、ツイート主の意見にも耳を傾ける必要はあります。
それは新規参入者が安い価格で売ることで、その商品やサービスを買う人にとってその安い価格が正当な価格であって、他の人は高い値段を吹っかけているようにみえてしまう。
そうして、その値段では「とてもではないが、利益が取れないように思える」ので、それに付き合ってしまうとサービス提供者が摩耗してしまう。
そうなることで、この市場は潰れてしまうのではないか?
なぜかというと利益が見込める商売だから、市場が生まれるのであってマイナスもしくは頑張っても生活できない程度の利益であれば、誰も入ってこないだろう。
低価格で売り始めたひとがずっとその値段で提供することに耐えられるのであれば、なにも問題はないが「私には耐えられそうにはみえないので」というツイート主の主観から今回のようなツイートになったのだと思う。
この後に発展があり、販売主は以下のようにツイートをした。その結果6000円から9000円に引き上げられた。
実際今回の事例について市場のサイズや本当の適正価格は分からない。
アダムスミスの国富論では、「見えざる手」があり企業が参入と撤退を繰り返すことで、国が参入しなくとも需給のバランスによって適正価格に落ち着くと言われています。
つまり、市場に参加している提供者が他のひとの商品やサービスについて、苦言を呈するとかもってのほかです。
だった適正価格なんてわからないんだもの。
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