単位を計算すると、方程式の間違い探しができる
はじめに
方程式の問題、好きですか?苦手ですか?
方程式の問題って、間違えずにたてることができれば、8割がた正解をあげていいと思っています。
たてることさえできれば、あとはコンピュータに解いてもらってもいいですしね。実際、手計算で解けない方程式もあり、その場合はコンピュータで計算します。
たてた方程式が間違っているか合っているか確かめる方法に、単位を計算してみるというのがあります。
方程式は、右辺と左辺が等しい、すなわちイコールで結ばれているため、単位も右辺と左辺で等しくならなければなりません。
なので、両辺の単位を計算して、単位が違っているとおかしいということになります。
このエントリでは、単位を計算して、方程式が間違っていないか確かめることを考えてみます。
かえってこんがらがっていやだ、となってしまう方もいるかと思いますが、無理して覚える必要もないかもしれません。ただ、物理などをやっている理系の方は理解する必要があると思います。
ルール
単位の計算ルールは以下の2つです。
1.掛け算、割り算はそのまま計算して、新しい単位となる。(例:m ÷ 秒 = m/秒、m × m = m^2(平方メートル)など)
(m^2は、mの2乗を意味します。上付き文字が使えないのでこのような表記にします。)
2.足し算、引き算は、同じ単位同士でないと足す引くできない。足し算引き算で単位は変わらない。
では実際にやってみましょう。
実例1
問題:
・花子さんが家をでて毎分80mで歩いていった。その8分後に母が毎分120mで花子さんを追いかけた。母が花子さんに追いつくのは花子さんが家を出てから何分後か。
この問題は、花子さんが家を出てから何分たったかをxと置きます。単位は分です。連立方程式を知っていれば、母が家から出て経過した時間をy(分)として方程式をたてるのが楽かと思います。
たてる方程式は、
80x = 120(x - 8)
ですね。
では、単位を計算してみましょう。
ポイントは、右辺のかっこの中、分 - 分は、単位としては、分であること。0にはなりません。単位を計算してみると両辺mです。合っている可能性は高いです。残念ながら、右辺の120(x-8)を120(8 - x)としてしまうと、その間違いは見抜けません。
では、完全に間違って、
80x = 120x - 8
としてしまったらどうでしょう?
となり、右辺のm - 分は、単位が違うのに引き算はできないので、計算できず、右辺と左辺の単位が一緒になりません。
これは、間違っているということになります。
実例2
問題:
・鉛筆4本と、消しゴムを1個買ったら代金の合計は480円でした。消しゴム1個の値段は120円です。鉛筆1本の値段を求めよ。
これは、鉛筆一本の値段をxとすればいいですよね。ここで、xの単位は、円、ではなく一本当たりの値段なので円/本です。
方程式をたてると、
4x + 120 = 480
ですね。
これを単位計算してみましょう。単位はそろうでしょうか?ポイントは、左辺の120円をどう考えるかです。
左辺の120円のところは、消しゴム一個当たりなので120 円/個であり、消しゴムを1個買ったので、1個 × 120円/個とするのです。そうすれば結局単位は右辺左辺とも円となって、右辺左辺の単位が一致します。
終わりに
本当は、何個とか何本って、単位はないんですけれど、このように単位として考えれば、方程式の間違い探しに使えます。
これは、運動方程式などをたてるときにも使えるテクニックで、次元解析と呼ばれるものです。
位置の時間微分、dx/dtは、m/sで、速度になりますよ。
頭の体操にどうぞ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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