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手術台まで行った母の頭の骨がいつの間にか元に戻っていた話
先日、母が頭が痛いというので、
父が病院に連れて行ったら
一時期外していて、
戻した頭蓋骨が陥没してることがわかった。
母の病気については下記の記事とマガジン【mom】でまとめています ↓
母は昨年くも膜下出血になった際に、
出血により脳が浮腫み、
むくんだ状態の脳をそのままにしておくと、
頭蓋骨の中で圧力が強まってしまうので、
2ヶ月くらい頭蓋骨の1/3くらいを外して、
骨がない状態で入院生活を送っていたことがあった。
さすがに皮膚の下がすぐ脳みそなので、
ベッドギアのようなものを24時間付けて保護して、トイレに行く時も転ばないように看護師さんが付き添っていたそう。
オンラインで面会した時は、触るとぷよぷよしてるんだよね〜と言っていた。笑
今でも普通に考えてすごい
今回はその、一度外して、元に戻した頭蓋骨が
なぜかうまく固まっていなくて
脳みその方に沈んでしまったのだ。
(そりゃ痛いよね)
1週間くらい入院して、全身麻酔で手術をするというので、
私も手術日はお休みをいただいて、
父と一緒に病院へ向かった。
手術の時間が近づいてくるに連れて、
看護師さんがきて、着替えを持ってきたり、
別の看護師さんが全身麻酔の説明をしにきてくれたりして、
諸々準備をし、時間になったので、
看護師さんに連れていかれる母を
父と2人で
「いってらっしゃい〜頑張ってね〜」
と見送った。
手術は2時間と言われたので、
ひとまず父と2人で、病院の付属の小さなカフェでお茶をしていた。
お目当てだったアサイーボウルが売り切れだった父は
代わりに頼んだ11月限定のマロンラテを飲み、
私も父に奢ってもらったソイマンゴーを飲んでいた。
ちょうど父がマロンラテを飲み終わった頃、
父の携帯がバイブレーションし、
母からのLINE電話がきた。
手術に行ったと思ってたので、
2人で「何かあったかな?」と目を合わせて
電話に出ると
「なんか、手術なくなったの」
という母。
(どうしてかは、おそらく本人は説明されていたが、失語症もあり、すべては理解できていないか、上手に説明できないかで、電話ではよくわからなかった)
緊急の手術が入って、母のが延期になったのかな?と話しながら
一旦父と病室へ向かった。
病室へつくや否や、
主治医の先生が今からお話いいですか?と
私たち3人をナースステーションの中へ招き入れてくれた。
「今朝CTを取ったんですけど、骨が戻ってるんですよ」
(…戻ってる??)
先生の言葉に、あっけにとられる私たち。
「なんで?」と思ったら、それに答えるかのように
先生も「僕たちもよくわからないんですよ」と言った。
「これまでも骨が陥没するケースは多数見てきましたが、
戻るのは初めてで…僕たちも困惑してるんです」
「でも、しなくていい手術は身体に負担がかかるし、しないに越したことはないので、今日は一旦中止して、また来週CTを撮って経過観察しましょう。」
「手術台まで行ってもらったのに、なんか拍子抜けな感じですが…苦笑
もしよければ、今日はもう退院していただいて構いませんよ」
そう言ってくれた。
ひとまず、手術をしなくてよくなったのは
よかった。
病室に戻りながら、
これだけ技術が進歩しても、
人間の身体はまだまだわからないことがたくさんあるだなぁ...と思った。
と同時に、
恐らく昨日運ばれてきて、手術した患者さんが向かいのベッドにいて
全身麻痺で、片目しか動かせない状態になっていて、
(母の病院は脳神経外科病院なので、母と同じような病気の人がたくさん入院されている)
あぁ、母もほんの少しだけ運命が違っていたら、
あの患者さんと同じような状態になっていたかもしれないんだよなぁ、と
目の前で、ゆっくりだけど、
自分ですらすらと、手術着から退院用の私服に着替える母を見て、
病気の怖さを感じた瞬間でもあった。
人間の身体はよくわからない回復を見せたり、
同時に非常にもろかったり、
よくも悪くもない、なんともいえない思いを
感じさせられた日だった。
ひとまず、母、
2日で退院できてよかった!
また美味しいもの、食べに行こうね。
それでは、また!
Karin