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大沢夏鈴
2022年6月6日 23:50
「……えっ、と」 困惑の色が声に載る。正直に話せば、私は今スグここから離れたいけど、目の前にいる子がそれを叶えられそうにはなかった。「……」 暗く落とされた瞳には、感情が宿らない。人形かと見間違うくらい整った顔立ちも相まって、言葉では表現できない悪寒のようなものが背筋を這う。 私――能見広子がここに来たのはつい先ほど。よくわからない手紙のままにやってきたら、ほどなくしてこの子も同じ部