■不作為犯とは、どういう行為でしょうか。
法律行為では、不作為犯という用語があります。
不作為犯とは、どういう行為のことでしょう。
それは、一定の行為をしないことによって、犯罪が実現することです。
そんなことがあるかと思うかもしれませんが、次のようなケースがあるのです。
たとえば、母親が赤ん坊に授乳しないで餓死させるように、積極的な動作をせずに犯罪となるものです。
これは、本来するべきと期待される行為をする義務のある者が、それをしなかった場合に、成立します。
義務があるかどうかは、次によって決まります。
1. 法律:例えば、親が子供を扶養する義務など
2. 契約・事務管理:子守契約など
3. 慣習・条理:例えば、運転事故をおこした運転手が被害者を救助する義務など
ただ、母親が自分の子供が川で溺れているのを見つけたが、泳げなかったために救助することができなかった場合には、義務があってもすることができないので、不作為犯は成立しません。