■相続における特別受益という言葉をご存じでしょうか?
特別受益とは、結婚資金や事業資金など、被相続人から生前に贈与を受けるなど、特別に受けた利益のことです。
このような生前の贈与は、遺産の前渡しとみることができます。
これを無視して単純に遺産分割をすると、公平になりません。
特別受益は、具体的には、次のようなものです。
1. 婚姻のための贈与
新居の費用や結納金、新婚旅行の費用など
2. 生計の資本としての贈与
大学の学費、仕送り、住宅取得費用、事業資金など
特別受益があった場合は、特別受益者が生前に受け取った贈与の額を相続財産に加えたうえで、これを各相続人の相続分を決めます。
算出方法は。
(相続財産+特別受益額)×相続割合―特別受益額 となります。
特別受益額が大きい相続人によっては、マイナスになることもありますが、原則としてもらい過ぎの部分は、返還しなくてもよいことになっています。