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播磨陰陽師の独り言・第三百八十七話「新潟旅行のこと〈後編〉」

 積雪の多い雪国には驚きました。どの家も二階に玄関があって、場合によっては玄関に登るための梯子がありました。博物館を見学して、なぜ、梯子があるのか理解出来ました。
 子供の頃は時々雪が降り、雪かきをしていました。どちらかと言うと、サラサラした粉雪ばかり降るので、積雪は多くありません。風が吹くと、雪は積もらず、激しい吹雪となります。だから、たくさん降る雪景色を見たのがはじめてでした。
 歴史博物館を出てから、車で柏崎へ向かい綾子舞会館へ行きました。綾子舞と言うのは、柏崎に500年ほど昔から伝わる踊りの一種です。会館では踊りのビデオを見たり、衣装を着たマネキンがあったりしました。
 それから柏崎にあるドナルド・キーン・センターへ行きました。ここも楽しかったです。
 柏崎でドナルド・キーンさんと言えば、古浄瑠璃の〈弘知ほうち法印ほういん御伝記ごでんき〉と言う作品の復活に力を尽くした人です。キーンさんは日本文化に造詣が深く、日本好きで有名な人です。
 そこを出てから、昔のオモチャを展示している施設へ行きました。昔の……とは、いわゆる〈郷土玩具〉と言うやつです。ついでに昭和レトロなティン・トイもあって、なかなか見応えがありました。ティン・トイとは、いわゆるブリキのオモチャのことです。昔はそこら中で売られていました。この頃のオモチャには〈メイド・イン・ジャパン〉ではなく、〈メイド・イン・オキュパイド・ジャパン〉……つまり〈占領下の日本製〉と書いてあります。時代が時代ですので、こんな感じです。
 新潟の最後は大きな公園へ行きました。園内をお猿電車のような小さな電車が走っていました。乗る時間がなかったので、歩いて行けるところにしか行きませんでした。
 柏崎は好きな町です。新潟も好きです。新潟の方言も耳触りが良く、大好きになりました。YouTubeで新潟弁を聞いて、なぜだか懐かしく感じました。ニュースを新潟弁で話すと言う番組を見つけました。いくつかの他にも新潟弁講座みたいなものも見つけて楽しんでいました。
 私には新潟を懐かしく感じる要素はない筈です。新潟弁にも馴染みはありません。しかし、なぜかは分かりませんが、とても懐かしく感じたのでした。新潟の地名にも懐かしさを感じました。

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