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播磨陰陽師の独り言・第461話「祝詞祭文神咒のこと」
最近、祭文の中に八将神のことが出て来ました。その時、何だか分からないと言うご指摘を受けたので、今回はそれについて書こうと思います。しかし、その前に、そもそも〈祭文〉についてのことなどを書いておきます。
さて、祭文とは、いったい何でしょう?
主に神道系の用語で、神道・陰陽道・神仙道で使う呪文のことです。祭事の時に唱える呪文のようなものを〈祭文〉と呼びます。
仏教その他では〈呪文〉と呼ばれています。同じものではありませんが、これらを含めてそう呼ばれています。
主な祭文と呼ばれるものは四種類あります。
まずは祝詞です。これは神に捧げる長めの言葉です。
——かけまくも……。
や、
——高天の原に神詰まります……。
などではじまり、
——かしこみ、かしこみ、も申す。
で終わったり、
——宣る。
で終わったりするものを祝詞と呼びます。
正式にはこれらは〈祝詞〉としか呼ばれませんが、祝詞の中にも〈祭文〉としか呼べないものが含まれています。祝詞と祭文の大きな違いは、文面の最後が〈宣る〉で終わるかどうかです。〈宣る〉で終わるものを祝詞と呼びます。宣るとは宣言することです。〈のる〉から〈のりと〉と呼ぶのです。それ以外……つまりは一般的な〈も申す〉で終わるものは、厳密に言えば祝詞ではありません。
次は神咒と呼ばれるものです。神咒は祭文の中で、特に短いものを言います。中でも有名なのは〈十言の神咒〉と〈八言の神咒〉です。
十言の神咒は、
——アマテラスオホミカミ。
と言う言葉です。
また、八言の神咒は、
——トホカミエミタメ。
と言う言葉です。このふたつの言葉以外に、一般に知られているものはありません。
次は一般的な〈祭文〉と呼ばれるものです。
これは、祭りの時に歌われる唄を意味しています。正式には〈年季祭文〉と言います。人々が祈りのために歌う呪文だと思ってください。
そして最後は呪文のように使われる〈祭文〉です。神道・陰陽道・神仙道では〈呪文〉と言う呼び方をしません。それらでは呪文に相当するものを〈祭文〉と呼びます。祈りや祓いに使われる言葉で、仏教のような真言とは違い、大和言葉で和歌などを唱えるものです。和歌……特に祭文として作られた和歌には特別な力があり、美しく唄えば霊力が発揮されると思われているのです。
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