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怖い話のウラ話・第14話「霊能者は運転が」
ある人が聞いてきました。
「よくテレビに出てる某有名な霊能者でも、たくさんの霊が見えて牽きそうで怖いから自動車の運転が出来ないなんて宣われてます」
「はい」
「実在の人間とすぐに区別出来ないものかって思ってしまいます。本当はどうなんですか?」
この問いに対して私は、
「確かに亡霊は実在の人と区別のつかないことも多いけど、それが霊だと分かることは稀ですね」
「分からないこともありますか?」
「まぁね。なのに、見た目に区別のつかないものを、確信を持って亡霊だと言い切る方がどうかしていると思います」
と答えました。
見えていないのに、適当に言っているだけじゃないのかなとも感じています。
多くの亡霊は車の運転の邪魔になるような場所にはいません。そう言った表現は、交通事故で死んだ人の霊に出会ったとやらの作り話や、再現映像のイメージなどには良くあります。
体験談では、道の真ん中に立っている人を轢いたら、実は亡霊だったと言うのがほとんどです。
これなら一般の、亡霊を見たことがない人でも納得するお話のような気がします。しかし、実際の体験とは異なります。亡霊が、目立つように、わざわざ道の真ん中にいるなんてどうかしています。それなら、普通に歩いていても、ぶつかるのでは?
道の端に陰気に立ちすくむ亡霊なら見たこともあります。ですが、よほどの山奥でも行かない限り、道の真ん中をたくさんの亡霊が漂っていることなどないのです。そんなのを見たら、まず、あの世へ行く行列だと思います。一般的な現象ではありません。古い記録を読んでも、数度くらいしかない稀な出来事です。
実際の体験とは異なることを、あたかも事実のように公言するのですから、そんな人は、見えていない種類の〈自称霊能者〉なのだなと思う訳です。
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