
怖い話のウラ話・第16話「幽霊な似合わないもの」
再現ドラマなどに現れる幽霊は、目の周りが赤くって、髪の毛もツヤツヤしています。
これを見るたびに、
「幽霊には似つかわしくないやろ」
と強く感じる訳です。
健康を絵にしたような姿の本物の幽霊など、一度も見たことはありません。ふと、再現ドラマの幽霊と比べると、私の方が不健康に感じてしまいます。美しいキューティクルとか、生き生きした肌とか、幽霊には無関係なものだと思うのです。
それに何ですか、あの速い動きは。怖がる人をビシバシ追いかけて来きます。
多くの幽霊は、気がついたら近くにいるものです。移動しているのは見えません。強いて言えば、足を動かさずに浮かんで移動するのです。もちろん口も動かしません。シクシク泣いているか、気が狂ったように笑っているのが多いです。
また、幽霊が刃物を持って襲って来るのも可笑しな話です。ドラマや映画には、そのような表現がたくさんあります。でも、安心してください。実際はそんな幽霊はいません。刃物どころか、人を殴れる幽霊もいません。危害は加えられないのです。
もし、そんな霊がいたら、何でも悪いことはし放題になってしまいます。そんなのは、世の中が混乱する元です。世の中が霊的なもので混乱をきたせば、その反作用のような感じで霊界が動き出します。霊界が動けば、悪い霊を退治する何かが働かされます。人の場合は僧侶や陰陽師などが働かされます。霊の場合は〈神〉に近いものが働きます。ですが、それは〈神〉ではありません。あくまでも、近い何かです。
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