Abemaトーナメント伊藤匠四段の「埋めた金」に心がざわつく
いつのまにかAbemaトーナメントが始まっていた。Googleアラートで「Abemaトーナメント」をわざわざセットしていなければ見逃していたところだった。本当にどうしたら将棋の試合情報を安定的に追えるんだろうか。笑
先週末、トーナメント予選でチーム藤井対チーム稲葉の試合があった。
土曜の夜にふわふわとした気持ちで楽しく見ていたが、6局目の対局(2:35くらいから)が将棋初心者の私にとってもすごすぎた。
藤井王位・棋聖がドラフト一位で指名した同い年18歳の伊藤匠四段。ほぼ初形であっという間に相手の船江六段を投了に追い込んだ。持ち時間がまだ3分も残った状態。
13日いっぱいは無料で見れるので詳細は実際に見てほしいのだけど、
上が投了時の図。手前の伊藤四段の駒はそれほどに動いていないように見える。面白いのは、6九金は一度出払ったところを指し直した金であるということ。伊藤四段ができるだけ最初の配置に近い状態で勝ちたいという遊び心があってこうしたのではないかと思う。この金は実際防御に効いていたようだが、わざわざ「埋めた金」というのがジワジワと味わい深い。
これは研究手だったそうだが、実践でこんなに美しくはまってしまったら、私だったら嬉しくて帰り道でスキップしている。伊藤四段は藤井さん以上に物静かな雰囲気の人なので対局後のインタビューもクールな語り口だったが、家に帰ってガッツポーズくらいはしていると思う。
それにしても伊藤四段はフィッシャールールにめっぽう強い。同じ将棋なのに持ち時間が違うだけで、これほどに強さが変わってくるのは不思議だ。段位なんて関係ない。そして伊藤四段を一位指名した藤井さんの目利きよ...。更に味わい深すぎる...。
ということで、まだまだ続くチーム戦。チーム藤井に引き続き注目しつつ、チーム渡辺の登場を楽しみにしたい。