ゆ・かり|読書エッセイ

フリー校正者、時々翻訳。読書を重ねるごとに自分に深みが増していくことを願って。

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最近の記事

最近、何かを買うということについて昔よりも慎重になった。

ここ数年で自分の考え方が大きく変わったなあ、と思うこと。 それは、物を買うときに、それを、どこで買うのか?誰から買うのか?というのを意識するようになったこと。 つまり、自分が起こす’買う’というアクションが、誰にとってどういう意味を持つのかというところに注意を向けるようになったということだ。 もう少しわかりやすく、具体的な例を挙げてみる。 例えば今、欲しい本があるとする。 その本を、ネットで検索してみるとAmazonや楽天など、様々なサイトで当たり前のように売っていて、

    • 『不可逆少年』: 罪を犯した少年は教育によって必ず更生できるのか、それとも…?

      五十嵐律人さんの『不可逆少年』を読みました。 ーーー 現代のこの社会では、罪を犯した少年は教育的な手段で更生へと導かれるような仕組みになっているが、これはそもそも罪を犯した少年は皆、教育によって更生できるのだという前提の上に成り立っている。 しかし、それは都合の良い押し付けでしかなく、(脳の構造上の欠陥などにより)教育による更生が不可能である少年が存在するかもしれない、というのがこの作品のテーマ。 ミステリとして面白いのはもちろんのこと、作品の軸となるのが非常に深いテーマな

      • 『彼岸花が咲く島』: ‘ことば‘についてあれこれ思いを巡らせてしまう

        李琴峰さんの「彼岸花が咲く島」を読みました。 ーーー 主人公の少女が流れ着いた場所は彼岸花の咲く島。この島ではニホン語と女語という二つの言語が話されており、白い服を着たノロと呼ばれる女性によって統制されていた。島に流れ着く以前の記憶が無い少女は、島のことばを学びながら島の人々とともに生きていくことにするが、その過程で島の歴史を知っていくことになる、そんなお話。 ーーー 島という閉ざされた社会 まず、わたしこういうクローズドな社会が舞台の話が結構好き。 閉ざされた狭いコ

      最近、何かを買うということについて昔よりも慎重になった。

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      • ただのエッセイ
        1本
      • 読書エッセイ|本とわたしの。
        2本