大森靖子という歌手
大森靖子というシンガーソングライターが好きです。
初めて知ったのはアニメ『卓戟のソーマ』の第一期のエンディング曲である『さっちゃんのセクシーカレー』という曲でした。
だったのですが一回だけ、あれ、なんかいつもと音楽が違う感じがするぞ?という回がありました。
調べてみたらデモテープが流れたらしいんですね。その今日を調べている過程でこの曲を書いた人が大森靖子という人だということを知りました。
YouTubeでアイドル衣装を着てギターで弾き語りライブをしているのを見つけ、歌詞と世界観に度肝を抜かれました。
それ以前に『きゅるきゅる』という曲を既に聞いた事があったことと、ギターを弾いていた人が同じ人物である事に驚きと納得感を感じました。
また、壮絶な人生を歩んでいた事もわかり、彼女が描く歌詞との重なりを感じたりして興味がぐっと湧いていきました。
彼女の生き様がカッコよくて、努力と才能、好きなものを好きと言う哲学、全ての女の子を肯定しようという彼女の愛情が素敵で色々と曲を聴くようになりました。
なかなかヘビーなものが多くて、簡単にはおすすめ出来ませんが、色々な価値観を破壊するには十分な力を持っています。
そして、僕が勝手に彼女の代表曲だと思っている曲が『マジックミラー』です。
女の子を肯定しようとしている彼女の哲学と音楽への愛が詰まっていると思うからです。誰かの為に歌うという応援歌的な側面にとても惹かれます。
それから、数年後にはZOCというアイドルグループをプロデュースします。デビュー曲の『ZOC実験室』もかっこいいのですが、『A INNOCENCE』という曲がメンバーへの応援メッセージになっていたりしてとても感動的なのです。
自分自身が苦しくてもがいている姿見も見せながら、なんとか頑張っているよと言ったり、何かと戦っている姿を見せています。そんな生身の部分を曝け出しながら、みんなを肯定して応援している彼女の生き方。ただ応援するだけではなく、先頭を突っ走っていく姿がとてもカッコよくて好きなのです。
そして僕が最も感動した曲である『音楽は魔法ではない』は、彼女の音楽愛が最も感じられる一曲となっています。
様々な苦しい体験を乗り越えてきた側には音楽があり、強力な支えになっていたようです。それこそ音楽はドラッグのように幸福感を与えてくれたり、ハイにさせてくれる不思議な作用がありますからね。
また、彼女自身も音楽をする事で生きていくための武器を手に入れました。生計を立てていくための手段として、自己実現の手段・目的として、そして何より幸福感を感じ続けるために音楽を続けているように受け取れます。大森靖子さんにとって音楽はまさに『魔法』のようなものであります。
音楽は勇気つけてくれたり、なかなか言葉に出来ない気持ちを代弁してくれたりと、強い力を持っています。
その反面、根本的な問題は代わりに解決してくれないし、生計を立てるためには利害関係に巻き込まれるし、届けたい人に思うように届かないし、なかな売り上げが出ないなどの現実を突きつけられてしまうなんて事もあったのではないでしょうか。そんな想像をしてしまいます。
そんな音楽の力や可能性を誰よりも知っていながら、「音楽は魔法ではない」と力強く否定する苦しさや葛藤が感じられ、魂を揺さぶられるような感動が湧き上がる一曲なのです。
というわけで、私個人が大森靖子さんに対して感じる魅力について語ってみました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。