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『ビルド・ア・ガール』におけるファッションが示す、ジョアンナ=ドリーの内面的成長について

『ビルド・ア・ガール』は、主人公であるジョアンナが大人達に振り回され、毒舌ライター、ドリーに変身するという苦い経験を通して、本当の自分を見つける物語である。 彼女のファッションとリュックは、彼女の変化を示す象徴となっている。 1980年代のUKロックのファッションは、ビジュアルの派手さを競い合っているかのように(ザ・スミスは例外)、男性アーティストでもアイラインはギラギラだし、かなり華美だった。それに対し、この映画の舞台となる、1990年代のUKロックのファッションは、オ

    • 『哀愁しんでれら』が私達に投げかける、生々しいほど不快な問いについて

      『哀愁しんでれら』は現代版シンデレラストーリー? 不幸な人生を歩んできた女性が、理想の白馬の王子様と出会い、恋に落ち、結婚し、幸せに暮しました。めでたし、めでたし-このようなお伽話は、現代では女性を男性に従属した存在として描き、差別的であると考えられ、通用しなくなってしまった。では、どのような女性の物語なら許されるのだろうか。この問いに対するフラストレーションをありったけ詰め込み、グチャグチャに潰した状態のまま、観客に投げかける。『哀愁しんでれら』はそんな映画だ。 親のよ

      • 『パーム・スプリングス』におけるアンディ・サムバーグのタイプキャストの有効利用について

        ※ド下ネタ、ネタバレ注意です。 アンディ・サムバーグのタイプキャストをフル活用した脚本が素晴らしいのです。 日本では、アンディ・サムバーグを『ブルックリン・ナイン-ナイン』のお調子者の警官、ジェイク役で知った方も多いと思いますが、アメリカでは、それより前に、コメディアンたちの登竜門的な長寿番組である、『サタデー・ナイト・ライブ』に『ザ・ロンリー・アイランド』というトリオの1人としてレギュラー出演したことによって知られるようになります。 『ザ・ロンリー・アイランド』の3人

        • リン・マニュエル・ミランダはなぜ成功できたのか?①

          リンが天才なのは音楽面だけではなくて、彼はドンピシャなタイミングで作品を世に出す天才だと言えます。 『イン・ザ・ハイツ」、『ハミルトン』『tick, tick...BOOM!  チック、チック…ブーン!』など、一貫して「アメリカン・ドリーム」を描いていますが、移り変わる大衆の思考の変化にピッタリ寄り添った作品を提供してるからです。 それぞれの作品がなぜヒット作となり得たのか、アメリカの時代背景と若干他の要素も交えながら、紐解いていきたいと思います。 大前提として、アメリ

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