訪問医なんて呼んでも来ない

しばらく間が空いてしまいました。
母は6月5日にお空に旅立ちました。
5月頭に腸閉塞になって、市の医療センターに救急車で入院10日→都内の緩和ケア科に入院約3週間。
緩和ケアは、コロナ禍でも家族2人まで毎日面会できるところを探し、なんとか入れたので、大満足の見取りとなりました。
なので、後半は良かったのですが、途中の「訪問医+訪問看護」の時期がやはり一番ドキドキで、心の負担が大きかったように思います。

訪問医というのは、普通の医者と全然違うんですね。なんていうか、「頼れる度」が。
あと、「家」という密室で繰り広げられることだから、昼間に行く普通の医者の感じでいると、ちょっとびっくりするような扱いを受ける。
医療というより「介護」に近くなるというか。
医療を受けられるつもりでいると、結構びっくりするというか。

訪問医は途中で1回かえたのだけど、結局同じで。
「24時間365日、緊急対応します、往診します」というのは建前で、実際は呼んでも来ません。
母が具合が悪くなったので、訪問予定でない日にお願いの電話をしたら、「今日は予定がいっぱいで忙しいので行けません」。
そこを無理にお願いしたら、やって来た医者の機嫌がすごぶる悪く、母の前でイライラして、「だんだん食べられなくなって、貧血になって、具合が悪くなって、死んでいくのが普通です。何をすればいいんですか?」とのたまう始末。
これが緩和ケア病院の院長のセリフかとびっくりしましたよ。
母はそれまで死がそんなに近いと思っていなかったので、かなりがっかりしていました。

そこで、医者をかえたのですが、次の医者も同じ。
夜中に母が痛みで「キャー!」と叫ぶほどだったのですが、夜中だったせいか医者に電話しても「がん患者にありがちな、妄想の痛みかも」とか言い。
「じゃ、救急車、呼んでもいいですか?」と聞くと「呼んでも無駄だと思いますけどね」とかいう。
見もしないで、なんでそう思うんだ?

夜中に大声で叫ぶほど痛がるのを放置できないので、救急車を呼び、医療センターに行くと「腸閉塞です」とのことで、そのまま10日の入院となりました。

政府は、少し前から高齢者の介護や医療を家庭で行う方向にどんどんシフトして「地域包括!」とか言っているけど、ただ家庭に押し付けるだけで実際まともな医療や介護が行われているかどうかのチェックもしないで、現場(家庭)に投げっぱなしな現状は困る。
投げられた家庭の方は、恐怖&地獄です。。。
面倒見るのは、ごく一般の、医療も介護も知らない素人の(多分大体が)女性。。。
いやいや、老人とはいえ、体動かすのも重くて大変だからね。
専門的なケアも医療も知らないから。
途中でケアマネさんに「自治体が無料で行うそういう教室、ありませんか?」と聞いたら、ないとかいうし。
(ちなみに、介護や医療で減収入になる主婦や独身者に対する助成金も存在しない。)
なんなの、政府のこの無策は。
病院を減らして、家庭のケアに回したいなら、それ相応の仕組みをしっかり作って、チェック機構も作ってくれぃ。
世の中の歪みを、なんでもかんでも女や弱者に押し付ければいいってもんじゃないぞ。

そうそう、訪問医療がもう一つ恐ろしかったのは、置き薬をたくさん置いてって、「こういう時は、これで、こういう時はこれね」っていうだけで、使用は家族と本人に任されること。
「こういう時」がどういう時か、見分けがつかんがな!

がんの痛みやらで辛くないようにしてあげたいのに、
ど素人の家族に丸投げされるとは・・・予想外でした。

ぶっちゃけうちの場合は、なんの役にも立たなかった訪問医療。
(訪問看護さんは、よくケアしてくれた人も半分いた。)

「ああ、早く入院させてあげたいーーー」と思う日々。。。
これが一番しんどい時期でした。
きちんとした医療を受けさせてあげれない、って、日本で生きてきて初めてなので、かなりハラハラヒヤヒヤの毎日。

その後、入院した緩和ケア病棟が天国のようにべらぼうに良く思えました。まともな医療が受けられるって安心! 素晴らしい!
(実際に、べらぼうにケアが良いところだった。)

母は「家で最期まで」と希望していましたが、独身の私一人&高齢の親が二人状態だと、とても満足なケアができず。
さらに訪問医がそんなだったので、毎日「何かあったらどうしよう」と怖くて怖くて。。。
むしろ、早く緩和ケアに入れてあげればよかったと思います。。。

訪問医はそこそこ近所からしか選べないので、難しい問題です。

とりあえず、市役所と市議会議員には、「この現状はよろしくない」旨、連絡しました。

高齢者や家庭の介護者、看護者が安心して、日々に向き合える世の中になりますようにーーー