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うさぎのミミとふわふわ雲の上の冒険/短編小説

あるところに、ふわふわとした雲の上に住んでいる小さなうさぎ、”ミミ”がいました。ミミは毎晩、星を眺めながら眠りにつくのが大好きでした。

「今夜も星がきれいだなぁ」と、ミミはつぶやきました。

ある晩、ミミが空を見上げていると、突然、ひとつの星が輝きながら落ちてきました。びっくりして見ていると、その星は近くの雲にそっと降り立ちました。

「こんにちは、ミミ」と星が話しかけてきました。
「僕はキラリ、夜空の星です。あなたにお願いがあって来ました。」

ミミは驚きつつも尋ねてみました。「どんなお願い…ですか?」

「わたしたち星は、毎晩みんなに光を届けるために一生懸命輝いています。でも、最近、夜空の光が少し弱くなってしまったのです。そこで、あなたの助けが必要なんです。」

「私でいいの?」ミミは小さな手を胸にあてて、聞きました。
「どうやって助ければいいの?」

キラリはにっこり笑って言いました。「あなたが持っている優しい心の光を分けてくれれば、夜空はもっと明るくなるんですよ」と。

ミミは不安な気持ちもありましたが、誰かの役に立つならどんなにすばらしいことだろう!とワクワクしてきました。
「それなら、やってみる!」ミミは決意しました。

キラリはミミを夜空に連れて行くために、ふわふわとした星の道を作りました。「さあ、ミミ。この道を一緒に歩こう。」

ミミは星の道を進むうちに、キラキラと輝く星たちがミミを歓迎してくれました。「ありがとう、ミミちゃん!あなたのおかげで、夜空が明るくなったよ。」と星たちが言いました。

ミミは照れくさそうに笑いましたが、心の中はとても温かく、そして優しい気持ちでいっぱいでした。ミミの優しい心の光が、本当に周りを明るく照らしていたのです。

その晩、ミミが再びふわふわ雲の上に戻ると、夜空は一段と明るく輝いていました。「これからも、みんなのために優しい心を持ち続けよう」とミミは心に誓いました。

ふわふわ雲の上で眠りにつくミミの姿を見て、星たちも安心して輝き続けましたとさ。

おしまい。


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