くるくるふわふわとごはんの上に乗せられたたまご、それにすっぽりとかぶさったトマトベースのソースが優しくて魅力的でふあふあなオムレツライス(渋谷「おまかせ亭」ランチレビュー)
いつも横目で見ては「1000円超えちゃうのかぁ、」と通りすぎてきた渋谷「おまかせ亭」。ついつい食べなれたお店に向かいがちなこの頃、コンフォートゾーンランチチャレンジと称して新ランチ開拓としてドアを開け、地下の店内へ。
可愛らしく洗練された内装でありながらも、どこか「町の洋食屋さん」風の空気をまとう店内のカウンター。第一回訪問、まずはおすすめ「オムレツライス」でしょ。サラダにコーヒー、デザートもついての1200円と良心的なお値段であることにここで気づきました。
たっぷりこんもりと盛られたサラダをしゃきしゃきといただき、野菜高騰によるビタミン不足をチャージ。カウンターには水野仁輔氏によるカレー100店紹介本。手に取るとウェイターのおじさまが「うちのカレーが載ってんの!」と通りすぎざまに話しかけてくれます。次回はカレーをば、と待てばやってきたオムレツライス。くるくるふわふわとごはんの上に乗せられたたまご、それにすっぽりとかぶさったトマトベースのソース。はぁ、なんて美味しそうなの、と思いつつ、たまごとごはんをたっぷり救える大きめのスプーンで一口め。ああたまごってこんなに優しい食べ物だったんですね、トマトソースってあなたそんなに魅力的だったのね、ふわふわのたまごに少しだけすっぱさのあるトマト、一緒になったごはんたち、にっこりせずにはいられないランチタイム。ふあふあ。
カウンターの向こうのシェフさま方に見られてたらちょっと恥ずかしいかな?というくらいににやにやとオムレツライスを食べながら、まるで「ランチの女王」の竹内結子さながら、「忘却のサチコ」のサチコさながらの食べっぷりかしらなんて思いながら最後の一口も大きめにいただきました。
「デザート出すからねー!」と明るく声をかけてくださるウェイターのおじさまがやっぱり明るくて素敵素敵。小さなカップに次がれたコーヒーを見て、小さめのかわいらしい一口デザートを想像しながら待ってたところ、なんとこれもまたたっぷりのシフォンケーキ。あらまこれは大変、とまずはコーヒーと共に一呼吸、別腹の位置と大きさを確認します。
一口目、まずは生クリームとハチミツを。ふわふわのまっきいろなシフォンケーキのかけらを、澄きとおって光ってるようにも見えるハチミツにひたっとする。で、フォークを上げたときのとろとろとろ、くるくるくるとハチミツが落っこちてくるこの瞬間の幸福!ハチミツが落ちきるちょっとその手前で口に運ぶこのしあわせ。ふあふあでお砂糖をあまり感じさせないシフォンに生クリームととろとろハチミツが加わってもうそれは素敵で素敵で仕方がない甘さがのどまで染み渡ります。ひととき余韻を楽しんだら、小さなカップのコーヒーを一口いただいて、それはつまり「あたしの幸せはここにあった」ってこと。シフォンが後半に差し掛かったら、果肉そのままの苺ジャムにもシフォンをひたり。生クリームと一緒に今度はちょっとの酸味が加わった甘さにまたまた言葉を失い、いよいよお顔のかたちもくずれゆく美味しさです。
そして小さなコーヒーだもの、大切に飲まなくちゃねと思った瞬間に「おかわりいかがですか?」とお姉さまが来てくださる、ああまた幸せがここに?と思う間に注がれるコーヒー。最後の一口、残ったジャムと生クリームをきれいにくっつけていただいて、〆のコーヒーも完璧。満足と幸福と、きらきらした気持ちでいる私は、ああわたしはこんなランチがあったあとに悪いことなんて決してしないのだろうって思いました。おいしいランチに、生かされているのです。