海のギャラリーを訪問して
text by シマダ
林雅子さん設計の海のギャリー
外壁は木目調のコンクリー打ち放し仕上げと木で仕上げられおり、特徴的なくの字に折れ曲がった屋根は折半構造で構成されている。
局所的に沈んでいる部分が陰影を作りとても美しい。
また、屋根には樋がなく沈んだ谷間から雨を流すデザインになっていた。
玄関の扉を開けると二階のトップライトの光がガラスに並べた貝殻を照らし、自分が海の中にいるような感覚になる空間が広がっている。
薄暗い一階から明るい二階へ視線を誘導され、自然と二階の展示スペースに上がった。
二階部はシンメトリーになっており、屋根のスリットが壁まで続いていた。
この建築の1番秀逸なデザインは構造である。左右の構造が完全に分かれており、このデザインを実現させるために屋根も折半構造になっている。
大きな視点として建築も素晴らしいが細部ディテールも素晴らしい。展示台の目地も折半の折り目に揃っていた。
シンメトリーの空間と細部のディテールにより、心地よい緊張感のある空間になっていた。
細部へのこだわりは建築だけではなく、家具や照明もしっかりとデザインされていた。
1番家具で印象に残ったのは、展示台である。ドーム状の展示台の上に反射する鉄で作られた照明のようなものがぶら下がっていた。
下に仕込まれた照明を反射させ、展示物を照らしていた。