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マンガから聞こえる音 そして空間

text by オオクボ

マンガは日本の文化といってもいいくらい世界に広がりつつあり、「MANGA」と英語で言われるようになってますね。

今回は漫画の技法の「吹き出し」の魅力について話してみたいと思います。

そもそも漫画の始まりは平安時代の「鳥獣戯画」ですね。

カエルとうさぎが踊っている。みているだけでその場にいなくても雰囲気がわかるような水墨画です。

2次元で3次元を表現する。ある意味当時のTVのようなものでした。

さらにそれまでは人は人として、動物は動物として書かれていたものをこれでは登場人物を生物から生まれた。

「人ならざるもの」を生み出したところにこの絵画の独自性があります。

これを皮切りに様々な漫画が書かれ今日までに続いています。

そして今の漫画は目で聴くものとしての認識で読んでいると思います。

漫画本を開くと様々なキャラクターの声が聞こえてきますね。

その要因として漫画の手法である「吹き出し」です。

吹き出しは何にもないところから音が出る楽器のような技法です。

その吹き出しに文字を起こすことで、人がしゃべっているように見えます。

つまり、僕が言いたいことは、、、、、

「字面ではわかりづらい情報を絵のとなりに並べるのではなく、声を形にし、より純度の高い情報が得られるようにした」

それが漫画における吹き出しの魅力だ!!!!!

漫画に吹き出しがないと連想する絵になってしまいますね。

それじゃ面白くないよね。

吹き出しは空間に賑わいを見せるものだと僕は思います。

空間は賑わっていた方が人がよく寄り付くのではないでしょうか。

打って変わってしまいますが、吹き出しをアイデアにした空間を最近考えたので紹介します。

テーマは 吹き出す場

広場は言葉通り、広い場所があるという認識ですが、それだけでは賑わいが見えづらいです。

使っている風景が見えてこその広場だと思います。そんな風景を作りたいと思い、アイデアにしました。

吹き出しを平面に表して、漫画の余白と吹き出しで大きさと素材を変えることにより、人がいない状態でも吹き出しの写真のように誰かが話しているように見えませんか?

そこにしゃもじのような吹き出しの屋根となるストリートファニチャーを備付けることで、広場の賑わいをより多く演出をしました。

こんな広場があるとこれまで、区画整理のためにできた使われない広場だったものが豊かなものになると思い、デザインしました。

どうでしょう?