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防具の原価
某道場にて、防具の原価についての話になりました。税込30,800円なりの防具。「こんなの材料原価3000円くらいだよ。なんで三万円もするんだ、ボリすぎだよ」と言う声が上がりました。確かに材料費だけならそれくらいでしょう。しかし、実際にそれだけで作れるでしょうか。
ここからは、あくまで私個人の推測です。何の裏付けもありませんので、ご了承ください。
まず開発。人間が装着するモノですから、安全かつ耐久性が求められます。優れた製品を作るため、何度も試行錯誤しているはずです。その為に作った試作は100を越えるかも知れません。試作代がひとつ20万円として100個なら2000万円。
射出成形のプラスチック材料は、金型が必要になります。一体成形で人間が着られる大きさですから、金型も大きくなります。一型 300万円。そして、少年サイズと一般サイズがありますから、600万円。
安全性を確認する為に公的な検査機関に申請が必要です。一回の練習でパンチ100発、キック50発受けるとして、週3回稽古を年間52週。それを3年続けたとして、
パンチ45,000発、キック22,500発。その検査を規定重量で落とす事になりますから、パンチ30kgキック90kgの錘を1秒に一回落とす様な検査をする事になります。パンチキック合わせて67,500発=67,500秒
=19時間。それを防具全体やらないといけません。検査代で100万円かな。
開発費合計2700万円。
償却数1万個としても、一個あたり、2,700円の開発固定費が発生します。
材料だけでは組立られません。熟練工が組立るわけですから、それなりの工賃が発生します。ひとつ組み立てるのに3時間の作業として9000円
材料費3000円、開発費2,700円、
合計14,700円。
30,800円は無茶な金額じゃないですね。