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電車内での護身

ここ数年、電車内での凶悪犯罪が増えている。大都市でのニュースが多いが、少し遅れて地方都市にも同様な犯罪が発生するのは周知の通りだ。バス内での犯罪も今後予想されるだろう。先日、電車で出張する機会があったので閉空間での身の守り方について考えてみた。

以前に東京で起きた事件の犯人は「なるべく多くの人間を殺すために止まる駅の少ない快速電車を選んだ」と供述している。このように、電車やバスの中で犯罪を犯す凶悪犯は最初から逃げるつもりがないケースもある。

逃げられない車内で逃げるつもりの無い犯罪者に、犯罪者のタイミングで突然に襲われる。こんな危険にどう対処すれば良いのか。まずは回避方法(リスクコントロール)から考えてみよう。

安全な座席について

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どの座席も安全だと言い切れるわけではないが、ヒントとなる事をいくつか考えてみよう。
刃物を持った犯人が車内の通路を歩きながら後ろから襲ってきても直前まで気が付かない。ならば車内全体を見渡すことができる最後尾の座席がまずは候補となる。ドアが近いので前方からの犯罪者に対しては一番逃げやすい場所でもある。ただし後ろのドアから犯罪者がやってくることを考えると、通路側は狙われやすい。また統計的に右利きの人間が多いことから、右手に持った刃物で左側にいる人間を刺しやすいと仮定すると「最後尾の右側の窓側座席」が車両内では一番危険を回避できる座席ではないかと仮定できる。

一番後ろの車両の最後尾は確かに後ろから襲われることはないが、前から犯罪者が来た場合には逃げる場所が無い。デッキなどに掲示されている車内案内で逃げるためのルートを確認しておくのが良いだろう。

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乗降客のチェック、定期的な車内チェック

駅で停車した際には、通路の入口に意識を向ける。変な態度の人間が乗り込んで来ると何となく分かるものだ。その違和感を大切にする。
電車が走行中も時折、背伸びをするような姿勢で車内をチェックすることが大事。あちこち不自然に移動している人はいないか。落ち着きのない乗客はいないか。
他人の視線が気になる場合は、ガラスに映る車内の様子を観察するのでもいい。

「チェックしている」という雰囲気を出すだけで、狙われるターゲットから外される可能性も高くなる。スマホに熱中している人間が一番襲われやすいのは電車でも路上でも変わらない。

身を守る装備
万が一、近くで犯罪が発生した時の対処法(クライシス・コントロール)を考えてみる。
前述した電車内での犯罪が起きたあと、専門家の意見として電車の椅子を盾にする方法が提案された。下の写真のように、確かに椅子の座面を取り外すことはできるのだが、これを使って犯罪者のナイフや斧を防ぐには訓練が必要だ。無いよりはマシと言ったレベル。
犯罪者が間近に迫った緊急時には、これを「受け」に使ってはいけない。受けは犯罪者を勢いづかせてしまう。あくまでも「攻撃の武器」として相手に殴り掛かる勢いで使うようにする。可能であれば座面は1つだけでなく複数はがして用意しておく。

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まだ犯罪者との距離があり、多少なりとも移動できる状況であれば、デッキまで逃げ出して消化器を入手する。目的は犯人の目潰し。噴射は1度でなく、何度にも分けて行うのが効果的。犯人の目さえ殺してしまえば活路は開ける。乗客が助け合って取り押さえる雰囲気にもなる。

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あらかじめ用意しておくグッズ
武器になるものを身近に準備しておく手もあって、私は出張の時には必ずペットボトル飲料とプリッツを買うようにしている。ペットボトルはフタの部分で相手の顔面や目を攻撃できる。中身が残っていれば、それを相手の顔に向けてぶちまけてもいい。

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プリッツはなるべく2パック入っているサラダ味を買うようにしていて、降りる駅に近づくまでは中身を残しておく。万が一の場合には、袋の上から中身を粉々に潰すことで目潰し用の粉末にすることができる。これも1度ではなく何度にも分けて相手の顔にかける。

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その他、車内で調達できる装備があるかもしれない。ジャッキー・チェンなら、こんな場合は何を使って戦うかと、知恵を働かせていろいろと考えてみよう。


ここまで書いたような私の考え方は、あるいは間違っているかもしれない。しかし電車に乗ったら周囲や乗客の分布を確認して、襲われた時の対抗方法を一度シミュレーションしておくのは、もしもの時の反応速度を早くしてくれる。また考える事で、より安全な方法や予防方法を思いついていく。非常事態を想定することが、危険を避けるための感度を高める訓練になるのは間違いない。

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