英語とAIスキルと護身術
オーストラリアのワーキングホリデーに行った日本人の若者が仕事に就けず、帰国チケットも買えずに難民キャンプの食事の配給に並ぶという記事があった。
若者の立場からすれば、日本のように老人が特権階級に居座り「年金や医療費」という名の過剰な年貢を巻き上げ、年取った政治家が牛耳る国にはいたくない。若者は文字通りに難民化しているのだ。
かと言って今の大学は、それに立ち向かうほどのスキルも実力も教えてくれない。日本国内で労働階級として貢献するためのノウハウだけを伝授される。かたや先進国の若者たちは、競争に打ち勝つためのスキルとマインドを学校で叩き込まれる。これでは勝負にならない。こういった前提を理解しているのなら日本の大学は行かないほうがマシ。
国に文句を言ってるのは、会社の悪口を言いながらもその会社に居座って給料をもらっている(公共サービスを受けている)のと同じ。イヤなら転職すればいい。それと同様に今の日本の制度・政治・仕組みがイヤならそれを変える運動をするか、転職(転国?)すれば良い。できない理由を並べる前に行動してみる。
「場所を選ぶ」のは護身の基本テクニック。あえて不利な場所を選んでいないか。産まれる国は選べないが、そこから出れないと思い込んでいないか?
護身術という時の「術」とは、じつは格闘術ではない。「逃げる場所がない」ではなく「逃げる場所を探しておく」「逃げる場所を作っておく」というアプローチが必要。逃げる場所がないから足元を見られる。詰んでしまう。
危険を避ける術、逃げる術、隠れる術、反撃する術など、護身術とはどれだけ選択肢を持っているかという「選択術」なのだ。
「逃げる」という言葉に抵抗がある人は「負けない」と置き換えれば良い。
「護身術 = 負けない選択肢を多く持つ事」である。
このように不利な状況から抜け出すという観点から見ると、英語は選択肢を広げる護身スキルだと言える。
いまだに各国のビザ取得には条件があるが、たとえばジョージア🇬🇪のように360日の滞在まではビザが不要で労働も可能な国もある。日本から出て生活する方法は、探せばあるのだ。
同様に人工知能を活用する能力も護身術だ。
自分に能力がなくても人工知能に手伝ってもらえば、実力以上の仕事ができる。有能なパートナーと友達になるのと同じ。人工知能の実用的な使い方だけを教える大学があってもいいのではないか。英会話も人工知能が多少は手伝ってくれるかもしれないが、心の通う付き合いがしたいなら自分のクチで話すことが肝心。
英語を習得して、自分が所属できるエリア(国)を広げること。人工知能を味方につけて、自分の能力を拡張すること。そして文字通り、争いから身を守る術を知っていること。
もう一つ大切なのは「日本人の考え方は世界の中でも特殊だ」と気付いて、外から日本を客観的に観るチカラを付けること。客観的に見れないから、その中でモガく事になってしまう。
ある空手流派では三段になれば後輩に初段の免状を出す事ができるという。つまり相手より二段階 高い視点から観れば「なぜそんなに小さい事で悩んでいるんだろう」、「そこはこう動けばいいのに」と、冷静に本質をつかめるという事。自分より外の世界がある事を常に忘れない。
犯罪に対してだけでなく、生活という側面でも護身が必要な世界になってきている事に気づいていない人は多い。