ニッキとシナモンは違うらしい
読みもの「ニッキとシナモンは違うらしい」
八つ橋との出会いは小学生の頃。
くるんと半円形の
お煎餅タイプと出会った。
ガリガリとかたい生地から
不思議な大人っぽい香り。
「ニッキだよ」と父が言った。
*
生八つ橋との出会いは
中学生の頃。
お煎餅タイプとはまた違う
リッチなしっとり感に魅了された。
多種多様なフレーバーがあることを
知ったのもこの頃であり、
修学旅行のお土産の八つ橋は
何味にしようかと
家族の顔を思い浮かべながら
選んだっけ。
*
私は長年、
「シナモン」の日本語訳が「ニッキ」
なのだと信じて生きてきたのだが
どうもそうではないらしい。
「太田胃酸はシナモンの味」
と思っていたが
和風っぽいから
「ニッキ」と呼ぶのが正しいのだろうか??
(太田胃酸のあの味は結構好きだ。)
太田胃酸のホームページにある
「生薬の知識」を
紐解いていこう。
するとどうだ……
ズラズラと並んだ生薬の項目の中に
「ニッキ」の文字がない。
その代わり
「ケイヒ」という記載となっている。
シナモンでなく、ニッキでなく、
ケイヒなのか。
ケイヒのページを読んでみると
シナモンとして、日本ではニッキとして
親しまれている
との旨が書いてあるではないか。
なんとなくこの辺は
親戚一族
と言う感じなのだろうか。
*
ちなみに
細かく分類するとこうなる。
↓
・シナモン…セイロンニッケイ
木の皮近くのコルク層
・ニッキ…シナニッケイ
根っこの皮
・ケイヒ…トンニンニッケイ
木の皮近くのコルク層。
主に生薬に使われるものは
ケイヒといわれる。
*
そしたら
私は
「シナモンが好き」で
「ニッキも好き」で
「ケイヒも意外と好き」
という感じでいけばいい、
ということになるのだと思う。
何はともあれ
生八つ橋が食べたい。
もちっとして
かつ、しっかり香り
最後にあんこが全てをまとめるのだ。