生産量ゼロへ。私の工場の派遣切りの詳細がわかってきた話
私の勤める工場で派遣切りが始まったのは以前お話した。
ここにきて、これから工場がどのような生産体制になるのか全体像が明らかになってきた。
1 生産ゼロへ
私の所属する部署が生産をゼロにすることが判明した。
私の部署は基本的に見込み生産方式で作ってきた。見込み生産とは、あらかじめこれくらい売れるだろうと予測し、計画に沿って生産していく方式だ。
これとは逆に、客から注文を受けてから作るのが受注生産方式となる。
見込み生産の良い点は、あらかじめ製造しておくことにより客からのリードタイム(つまるところ納期)を短くすることができることだ。在庫を抱えることにより、注文が来たら即発送ができる。
しかし、マイナス点もある。それは見込み通りに商品が売れなかった場合だ。
過剰在庫である。
今回私の工場で起きているのがこれだ。ここまでなら抱えても良いとされる在庫水準を遥かに上回っているらしい。
なので、在庫がある程度さばけるまで生産ラインをストップさせるのだ。
ちなみに汎用品以外の個別品はすべて受注生産の短納期で出すらしいので、出荷が完全にゼロになるわけではない。
2 生産ストップの期間
在庫がさばけるまでである。
なんとも曖昧な表現であるが、これが現実だ。少なくとも年内は完全ストップらしい。
しかし、年が明けたとしても状況はどれほど変わるというのか。
すぐにワクチンが開発され、すぐに世界中に供給され、すぐに景気が回復するのならいいが、そんなことが起こるのか。少なくとも数年単位でかかるのではないか。
暗澹たる思いがする。
3 過剰人員について
思うように売上が上がらないなら、売れるようになるまで会社は支出を抑制しなければならない。経費削減は自然の流れだ。
経費の中でも一番の重荷は固定費だ。そして、固定費を削る一番の王道は人件費をカットすること。これは工場に限らずどこの世界でも共通することである。
しかし、正社員を簡単に辞めさせるわけにはいかない。
そこで派遣切りとなるわけである。
つまり我々派遣社員は、職場における景気変動の調整弁なのである。別の表現をするなら使い捨ての駒である。駒を捨てる時がきたのだ。
4 私は今後どうするのか?
どうもこうもない。自然の流れにまかせるまでだ。
私は今回の派遣切り第一波は逃れることはできた。だが、次は危ないだろう。
今回の人員整理で、派遣社員の数は半分近くになったと思う。しかし、それでも生産ラインストップはきつい。残された仕事をシェアすることになるが、それでもきつい。人員の再配置もすでに行われているが、それでも仕事がない、やることがないという話を聞く。
人減らしの流れはしばらく止まらないだろう。
じたばたしてもしょうがない。腹をくくろう。
派遣切り、つまり雇い止めなら失業保険が出る。生活はきつくなるが、すぐ露頭に迷うことはない。その間に何かしらの仕事にありつくのだ。アルバイトでもいい。景気が良くなるまでサバイブするのだ。
それで駄目なら生活保護だ。
生活保護の一歩手前に、住居確保給付金という住む所を失う恐れのある人向けの制度があるが、私はすでに利用歴があるのでもう使えない。この制度は一度きりなのだ。
住所無しは何としても避けたい。というのも一度そこまで落ちると、はい上がるのが難しくなるという話をよく聞くからだ。
と、最悪のケースを考えてきたが、そこまで状況が悪くなるとも限らない。派遣切りされた時、すぐに次の職場を派遣会社が紹介してくれる可能性だってある。
何も悪い方ばかり考える必要はない。そんなことしていたら病んでしまう。心が持たない。
それに世の中には私より厳しい状況に置かれている人も大勢いるはずだ。自分のことばかりくよくよ悩むのは止めよう。このnoteでは誰かの役に立つ発信をするのだ。人々の悩み苦しみが少しでも減ることを祈って。
今日は曇りだ。朝は肌寒さを感じた。もう秋なのだ。じきに冬になる。その先には春が来るはずだ。
生きねば。