見出し画像

ゲームで学んだこと: 作業、制限、メタ認知

作業と楽しさ

ゲームの楽しさというのは、作業を作業と感じさせない仕組みにあると思います。例えば、ゲーミフィケーションという概念が存在することからも、ゲームを離れて応用できる点があります。

ルールと制限

ルールと制約が創造性を引き出します。例えばポーカーで『超ロイヤルストレートフラッシュ』を考えたと、いきなり出されてもそれはポーカーじゃないですよね。

あるいは俳句、5・7・5で季語があるというのが俳句のルールなわけですから、それを無しにしちゃうと俳句とは違うものになります。

ルールが優れているほど工夫が楽しいですよね。
例えばスポーツのルールで考えると、サッカーの時に手でドリブルしないで欲しいし、バスケットボールをする時にお願いだから足で蹴らないでくださいということ。お互いルールが違うのでバスケットボール選手の中にサッカー選手を連れてきても、得意不得意や役割が違いますよね。

双方向性

パソコンが登場するまで、一般的には自分の操作が画面に反映されることはありませんでした。基本的にアナログのブラウン管のテレビは、テレビ放送を受信して見るものだったはずです。例えばマリオがめっちゃ走るということは、ファミコンが普及しないと家庭のお茶の間で経験できませんでした。

RPGの特徴とお使い

クエストとアイテム

RPGに絞ると「お使い」ということが特徴にあると思うんです。RPGってクエスト(お使い)を達成するためにアイテムとかモンスター討伐が必要ですよね。あるいはあそこの山にいるおじいさんちょっと難しい人だから話聞いてきてとか、お弁当届けてあげてとかいろんなお使いがあります。

制限と解除

そのお使いってなんだろうと考えると、鍵の入手や特定条件をクリアすることで制限が解除されていくことの繰り返しだと、私には思えます。

例えばドラゴンクエストで船を手に入れたとします。やった、これで広い海に出て世界地図を埋めるぞと思っても、それは内海であって水門の扉を開けないと外海に出られない。制限があります。船では辿り着けず空を飛んで到達する場所もありますね。

レベル上げの楽しみと辛さ

レベル上げは楽しいけど苦しみもあります。同じ作業の繰り返しで、やり込み要素でもあるから、レベル上げ自体はそんなに楽しくデザインされていないと私は思います。

例えばMMORPGのドラクエ10だと、戦士やバトルマスターや旅芸人や僧侶などの職業で、行きたいボスに対するパーティ内の役割や立ち回りを理解して、役割を果たさないと楽しく遊べません。レベル上げは必要条件であり、十分条件ではないのです。

さらに、ゲーム内で職人をして武器防具を売るとか、マップに落ちている武器防具の素材を拾ってくるキラキラマラソンを行いゴールドを貯めて、高価な武器防具を揃える作業も必要です。

……ソシャゲだと、キャラの性能の上限(キャップ)を外すには、ガチャでお金を使う必要があるから、作業で越えられない壁もあります。それすら楽しく感じさせるのだから、ゲーム恐ろしい。

レベル上げと塗り絵とコレクション

例えばファイナルファンタジー3で全ての職業を育てました。ドラクエ3は遊び人4人パーティでのクリアーこそないものの、小学生なりにかなりやり込みました。FF5は育てるほど「すっぴん」と「ものまね師」が引き継ぐ、ジョブ特性と能力値が多くなるから、楽しかったです。FFタクティクスもやったし、去年はP5Rでペルソナを育てました。

これらは、塗り絵を塗って絵を完成させるとか、コレクションをコンプリートするといったこととすごく似ています。

レベル上げが楽しくなる工夫

例えば細野晴臣の『NAGA』をよく聴いていた頃、アルバム一枚聴く間、作業としてレベル上げを黙々とやろうと、無になってレベル上げしていました。MMORPGほど莫大な経験値は不要だから、じきに上がります。

私だけではなく、フレンドもアルバム一枚を単位にしていました。その方は、ドラクエ10のキラキラマラソンをするのにアルバム一枚を目安にしてルートを工夫されていました。

達成感を抱きにくい同じことの繰り返しを、どう工夫するのか、そして作業に集中するのかは、メタ認知の訓練にもなると思います。キャラのレベル上げを通して、自分も鍛えていました。

これはゲームの中の作業をどうしたら自分が苦しくなく行うことができる訓練ですよね。

ゲームをすることで回復していくということが、すごくストレスを受けた時とかに人にはあると僕は思います。一因はこの作業っていうこととメタ認知のバランスで、ほどほどに作業に集中するので他のことを考えなくて済むという、自分のしんどいことから気をそらすということを、ゲームは行いやすいと思うんです。

RPGだけでなく、FPSでも、パズルゲームでも。没頭しやすく出来ている。

日常生活の応用

クエストとしての生活

ゲームを日常に応用できると私は考えています。毎日の退屈な時間というものがそうではなくなっていく。

例えば、外路樹の変化から季節を感じ取っていくとか、昨日と今日の違いを観察するとか、通勤通学の電車が退屈だから、車内で勉強するよ、本を読むよ、オーディオブック聞いてるよ、っていう方もいらっしゃると思います。

長距離通勤の工夫も、共通点があります。
同じことの繰り返しは起きますよね。

もっとガチ勢だと、朝早く起きて、電車が空いてるうちに、もうなんなら始発で、1時間半や2時間の通勤通学だから、早起きして座って勉強するよという方もいますね。

早めに勤め先や大学に到着するから、喫茶店で時間を潰して休憩し、朝からしっかり集中できる状態に自分を整えて自分の持ち場に出ていくという方もいらっしゃるかなと思います。

あるいは、仕事や大学の帰りにスーパーに寄って、豚肩ロースをゲットしたとか、今日は大根もお得だったという感じで、リアルにクエストをやっています。お家帰って料理してるうちにレベルが上がるかもしれない。レベルが上がると、ドラクエにしろFFにしろ、ちょっと嬉しい効果音が鳴ったりします。

まとめ

ゲームが教えてくれること

退屈な作業も楽しさに変えるフレームワークがあるよっていうことです。また、長期的な目標も達成すると楽しいよっていうことでもあります。それは、塗り絵のような、コレクションのような、レベル上げの例のように。

そして、日常の改善っていうことでは、作業やお使いを楽しむ工夫と、日常生活の退屈さを軽減する方法もあるよっていう話ですね。

ポイントは、ねばならないわけじゃないんです。そういう選択肢もあるというだけなんです。選択肢があるっていうだけで、僕らの気持ちは楽になるはず。

人生80年、あるいは人生100年と言われる時間を退屈だったなっていうふうに振り返るのも人生だし、いろいろあったけど工夫したから楽しかったなっていうふうに思うことも人生。何を選んでも選ばなくても良い。

自分の人生ハードモードとか、人生クソゲーとか、イージーモードとか、色んな感じ方があるけれど、僕らは自分で自分の人生に関わり、参加し、デザインすることができます。

その際に、退屈っていうことに関して、あるいは作業とか繰り返しとかといったことに対して、ゲームは先行事例として豊かな蓄積を持つから、0から考えずに済むので、心強いです。

#ゲームで学んだこと


サポートする値打ちがあると考えて下さって感謝します! 画像生成AI学んでるので、その費用にさせて下さい。 新書を一冊読むことよりお得なnote目指してます。