ハガレン・鋼の錬金術師を11年ぶりに再読して、心の底から皆んな読んでと思った。
#ネタバレ 鋼の錬金術師のネタバレを扱います。
無性に食べたくなる物って有りますか? 私は皮から作る水餃子と、ホットドッグが恋しくなることがあります。ちょうどそんな感じで、ハガレンを読み返したくなりました。たぶん完結以来だから、11年ぶりの再読です。
10年かけて完結した作品で、発表号は「2001年8月号 - 2010年7月号」の間。
スクエニの看板作品だし、8000万部って上位に億単位の作品が並んでるので23位くらいだけど、『うる星やつら』が3000万部なので3倍近いヒットですね。ハガレンは本が売れない時代でも、とんでもなくヒットしました。
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キング・ブラッドレイは戦って死にたかったでしょうし、ホーエンハイムの死に方も彼なりに妻との約束を守ったから幸福そうに見えました。
ハガレンも神に近い存在を、デバフ・弱体化で勝つ方針ですね。また、エドもアルも強いけど、TPOによるのでスカーや大佐が強いこともある。もちろん、ホーエンハイムも。
エドもアルも最初から強いけど、旅を通して人間関係育てて、謎も解いて、勝ってる。
ホーエンハイムにしても、他の脇役にしても、使い捨てのキャラがいなくて、各自が人生を持っていて人生を生きている。
ことに北の要塞へ向かう頃から、無駄が一切ないと私は感じています。序盤の主人公達の自己紹介とハガレンの世界を伝えるエピソードも含めて、捨てエピソードが無いのも印象的。結果、構成力が高く感じられる。
エピローグに希望があるのもいい。映画のエンドロールでその後が語られることと似て。
荒川弘の絵は、新しかったと思う。
デフォルメのきいた人物と、きっちりした背景。細いと食べさせて貰ってないと感じるらしく、男子はメッキリ女子はモッチリでしたっけ? 人物を描く時も意識してるらしい。
画力が飛び抜けて高いと思わせない巧さが有る気がします。立体や遠近法の扱い方が、とても巧みだから。平面に描かれているのに、のっぺりした絵と感じないけど、写真が動いてる感じとも違って、絵は絵であって著者が介在する意味を感じる。
20年前に始まって11年前に完結した作品だから、現代の小学生は読まないかもしれない。
色んな人物の思惑が見事に描かれているから、読み継がれて欲しい作品です。
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