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患者さんのその訴え…本当に【麻痺】ですか?

お読みいただいている皆さんいつもありがとうございます。
理学療法士の唐沢彰太です。

脳卒中の後遺症の代表格に、

【動かない】

【感じない】

運動障害と感覚障害があります。

運動障害は、思い通りに動かす/動くことが出来ないことの総称で、原因としては麻痺や身体的(筋など)な問題が考えられます。
感覚障害は、感じが弱い、違和感があるなど患者さんが感じている感覚の障害の総称で、原因としては麻痺や高次脳機能障害などが考えられます。
このように、動きにくい/感じにくい=麻痺ではなく、1つの要因として考えなければなりません。

つまり、患者さんに動かない/感じない理由を伝えたり、介入の為に病態を考えて行く時に

「麻痺だから…」

となってしまうのは、間違いなんです!!

私が病院で勤務していた頃、「麻痺が強い」「重度の感覚麻痺」という言葉を毎日の様に聞いていました。
皆さんもよく聞いたり言ったりしているのではないでしょうか?
そもそも麻痺は、運動神経(運動を脳から脊髄に伝達する神経:皮質脊髄路)や感覚神経(身体への刺激を脳へ伝達する神経:脊髄視床路など)の損傷によって生じるものです。
なので、脳画像やトラクトグラフィなど検査をしてどれくらい損傷しているのかを参考にして、今の患者さんの状態と比較することで初めて障害の原因が分かってくるというわけです。

このことを考えていた私は、臨床では「麻痺」という言葉を使用せず、必ず「運動障害」「感覚障害」と言うようにしています。これは、リハビリテーションのチーム内ではもちろんですが、利用者さんに対しても「障害」という言葉を使用しています。
麻痺が原因かどうかは、予後に大きく影響します。
患者さんのリハビリに対するモチベーションなどを考慮すると、専門家であるセラピストの言葉は大きな重みをもつという自覚が必要です。

このように、リハビリにはびこっている様々な当たり前は、もう間違えているかもしれません。
常に疑問を持ち続けることを意識して臨床に臨んでいきたいと思います。

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