磁器婚式
あれから20年。
過ぎてしまうとあっという間。
20年があっという間って正直恐ろしい。生まれた赤子が成人になるのがあっという間と感じるなんて、20年前の私は想像すら出来ない時間だ。
20年の途中経過には様々な事があった。
夫は出張や単身赴任が多かったせいか、20年間のうち10年位は週末婚の様な、マンスリー婚の様な生活が続いていた。
ずっと上手くいっていたかと言えば、悪い時期もあった。何度も離婚を考えた時期があった。その度に踏ん張っていたのは夫だった。彼は決して離婚をYESとしなかった。彼の性格なのだろう、とにかく堪える根性が座っていた。
磁器婚式の由来も知らなければ何をしていいのかもわからない。
結婚パーティをしたホテルに泊まろうかなと一人で企んでいた。だがそのホテルは閉鎖中というなんとも中途半端な状態になっていて計画が頓挫した。
それに入籍記念日をすっかり忘れていた夫に、何故私が一人で準備をしなきゃならんのじゃという思考になったので頓挫の頓挫。
頓挫の頓挫の頓挫はステイホームだった。もうこうなるとなにもかもダメだ。オリンピックもなくなったのだから、磁器婚式なんてそんな中途半端な祝い事やめろと2020年の歴史から弾かれた気さえする。
そんなお祝いムード皆無の2020年の磁器婚式。
離婚もせず仲良くご飯を食べに行ったり、買い物に行ったり、日帰り温泉に行ったりしてる。
もしかしたら普通の日常に訪れるちょっとしたイベントの方が10年、20年先の良い思い出になっているかもしれない。