【ベトナム】テト(旧正月)の過ごし方:tất niên(タッニエン)編
みなさんテトはご存知でしょうか?テト (tết)とはベトナムの旧正月のことです。
ベトナムでは陽暦の正月よりも陰暦の正月(いわゆる旧暦の正月)をメインに正月と呼び、盛り上がりを見せます。テトは毎年、政府が決めており、2023年のテトは2022年11月に政府が発表しています。
私は今ベトナムに住んでいます。今回初めてベトナムのテトを過ごすことになりました。旧正月を迎える前の準備として tất niên(タッニエン)という儀式があります。その様子が日本にはないものであったので今回はその体験談を記載しようともいます。
※私の拙いベトナム語力で理解しているので間違った記載をしているかもしれませんので、ご了承ください。
tất niên(タッニエン)を日本語に訳すと大晦日と呼ばれる行事です。新年を迎える前に、ベトナムのすべての家庭で欠かせない習慣の一つです。地域によって特徴や違いがあるそうです。私はベトナム中部にあるクアンチ省という地域に住んでいるので今回はクアンチ省で過ごしたtất niên(タッニエン)に偏った内容になります。
1.tất niên(タッニエン)とは?
1年の終わりに新しい年を迎える準備をする儀式です。テトを迎える1週間前くらいから行われます。午後か夕方に家や職場で開催され、はじめにお供物をして儀式を行います。家主がゲストをパーティーに招待します。家主とその家族はパーティーの準備をします。tất niên(タッニエン)はたくさんの人が集まり、食事を楽しみ、新年を迎える時期です。
2. どうして年末にtất niên(タッニエン)を開催するの?
家族や親戚、近所の家の人が多く集まり、一年を振り返り、より良い新年を迎えるために行われるものです。日本でいうところの忘年会に当たりますね。家主はゲストのために配膳をしたり、乾杯をしたりパーティーの間、座り暇もなく気配りをし続けています。
3.私が体験したtất niên(タッニエン)の流れ
即席の祭壇を作ります。神様と先祖に対してお祈りをする儀式を行います。
これは、先祖が天で服を着られるようにという意味をこめられている紙で作った服の生地です。このほかにもお金の紙もあります。
祈りの儀式に必要な食事は主に女性が準備をします。家族とその親戚の女性たちが総出で準備をし、男性はその食事を祭壇に配膳し、祈りを行います。女性たちは慌ただしく準備をしており、時折、殺気立っていました(笑)
私もこれはどこ?あれはどこ?とできることをお手伝いをしました。
30分ほどかけてお祈りが終わった後、服の紙やお金の紙を燃やします。お供物の食事は、お祈りの後のパーティーで食べます。
ホストの男性以外は準備を手伝わずにソファに座ってスマホをいじったり、談笑したりしている姿が目につきます。ベトナムでは女性が家のことをして男性が外でお金を稼ぐという構図とはこういうことかと納得しました。
パーティーは家主が招待したゲストと机を囲み食事をします。親戚や友達、近所の人などたくさんの人を招きます。この時、ベトナム人男性はビールを飲まなければなりません。同じ机でビールを飲む際は必ず、全員で乾杯もしくは、2、3人で乾杯をします。この時に健康を願ったり、幸福を願ったりして乾杯をします。ベトナムの乾杯は「モッ、ハイ、バー、ヨー」と言います。一人でビールを飲むことは許されないし、乾杯をしてビールに口をつけないことも許されないのです。
食事に関しては、サラダ、肉、鍋など家庭によって様々です。
これで終わります!という合図はなく各々のタイミングでゲストは家に帰ります。ゲスト全員が帰ったらtất niên(タッニエン)は終了となりますが、女性陣は片付けがあります。
4.最後に
ベトナム人男性はお酒をたくさん飲み、食事をたくさん食べ、多くの人と談笑することが求められ、ベトナム人女性は、多くの準備や片付けなどを求められる。日本人の私から見ると率直にベトナム人は大変だなあと思いました。このtất niên(タッニエン)を開催するか否かは家主が決定権を持っているためすべての家で開催されるわけではないそうです。
今回、初めてベトナムで tết(テト)を体験しました。興味深い内容がたくさんあり、異文化交流ができて、まだまだ世の中には知らないことが多くあると感じました。
これからもベトナム文化を楽しんで行きたい。