逃げるは恥ではないが「ブログで稼ぐ」類の言葉には要注意
SNS上でよく見かける「ブログで月◯◯万円稼いでいます」という売り文句。影響力の強いインフルエンサーが唱え、誰にでもできることのように見え、その影響なのか「退職(退学)してブログで稼ぎます」というツイートも見かけます。
しかし「ブログで稼ぐ」系のキャッチコピーは注意しないと身を滅ぼしかねないので解説したいと思います。
「ブログで稼ぐ」は本当か
まずインフルエンサーがよく言う「ブログで稼ぐ」は本当に可能なのか。
結論から言えば「不可能ではない」でしょう。
不可能ではないですが、誰にでもできるというものではありません。
ブログで稼ぐのが不可能ではない理由
ブログで稼ぐのが不可能ではない理由としては、「PVと文章力次第で売上が立つ」のが大きいでしょう。
昔は個人が広告に頼らずに大勢にアピールするのは難しかったですが、今はインターネットがあります。 インターネット上には何十億人という人がいて、日本だけでも数千万人規模のインターネット人口がいます。
1個100円の利益が出る商品を100人に1人(1%)が買ってくれると仮定したとき、1日100人にしか見てもらえなければ100円/個*100人/日*0.01個/人で1日100円の利益にしかなりませんが、1日10000人に見せることができれば1日10000円の利益になります。
SEOでサイト順位を上げ、SNSや動画サイトなども利用して集約すれば大きな収益を上げられる可能性はあります。
アフィリエイトを勧めるサイトによく書いてある数式のとおりで、数は力です。
しかし不可能ではないからといって誰にでもできるわけではありません
ブログで稼ぐのが誰にでもできるものではない理由
ブログでアフィリエイトしてお金を稼ぐことは不可能ではないと言っても、じゃあ誰にでもできるほど簡単ということではありません。
なぜなら以下の点で難しさがあるからです。
ブルーオーシャンではない
金脈は有限
ブルーオーシャンではない
ブログに限らずインターネット上で個人サイトを立ち上げてメディア化するのは20年前から行われています。
2010年代からはまとめサイトも盛んに作られたので、ブログを含め個人サイトはかなり増えました。
その中で新規参入するのですから簡単なはずがありません。
よく見かける言葉に
というのがありますが、あれは嘘です。
何故なら競い合う相手は新規参入者ではなく既存のサイト運営者だから。
9割消える新規参入者は関係ありません。
自分と同じジャンルで検索順位の上位を取っているサイトからシェアを奪わないことには収益には繋がりません。
この点は「インフルエンサーが確実に新規参入者を惑わしに来ているポイント」です。
金脈は有限
収益の根源となる金脈が有限であることも注意したい点です。
ブログ収益の根源は、読者です。
読者が広告を見て商品やサービスを購入してくれることで、その一部が収益としてブロガーに還元されます。
そして大事なポイントは、「読者も読者の財布の中身も有限である」ということです。
ブログを作ったとして、読者の候補となる人数は、例えば「20代女性」であれば、統計局の人口情報が参考になります。
この人数が持つ興味と予算を企業やブロガーが奪い合うことになります。
ですのでブロガーが増えれば増えるほど、争いは熾烈になります。
「ブログで稼ぐのは誰でもできる」と言うのは金脈が有限である以上不可能です。
インフルエンサーがブログを勧める理由
しかしインフルエンサーは、以下のように「誰でも稼げる」ような書き方をしてブロガーを増やそうとします。
普通に考えれば「競争相手が増えれば自分の稼ぎが減るのではないか」と思うでしょう。
何故ブロガーを増やそうとするのか。
新規ブロガーを金に変える仕組みを活用している
インフルエンサーが新規ブロガーを増やす理由、それは新規ブロガーを増やすことが自分達の利益に繋がるからです。
仕組みは簡単。
彼らはブログでアフィリエイトをしています。
アフィリエイトでは以下のような商品を扱っています。
レンタルサーバー
WordPressテーマ
SEOツール
新規参入するブロガーがいれば、↑のサービスやツールを契約させてアフィリエイト収益が得られるので、新規参入を勧めているわけです。
さらに単発のアフィリエイトだけではなく、中には高額のコンサルティング契約や有料サロンを契約させることで、新規ブロガーから継続的に集金をしている人もいます。
ブログで稼ぐのではなく、新規ブロガーから稼いでいる
新規ブロガーを増やすことでお金を得ているとして、それは自分の将来的な利益を削ることにはならないのか、と思うかもしれません。
しかし逆に考えれば、損が出るならやってないはずです。
つまりブログそのものの収益よりも、新規ブロガーから得られる収益の方が大きいと考えているからやっていると考えられます。
そこから考えると、ブログを勧めるインフルエンサーのメインの収益は新規ブロガーにアフィリエイト商品を契約させたり、有料サロンに登録させて得られる収益ということになります。
新規ブロガーは競争相手にならない
さらに言えば、新規ブロガーがインフルエンサーから有料でブログの手ほどきを受ける場合、競争相手にはなりません。
先の論点と同じく、インフルエンサーの活動目的がお金である以上、自分の損になる行動はしません。
ですので基礎的な手ほどきはしても、自分のライバルになるほど教えたりはしません。
一定レベルには達するでしょうが、コアなノウハウは秘匿されるでしょう。
その中でも成果を出す人はたしかにいます。
ですがそれは最初からその人にセンスがあっただけで、教えが活きたと言えるかは微妙です。
きっと別人に師事しても、本を与えても伸びる人なのでしょう。
本当に効果のある指導ができるのであれば、指導した相手は皆稼げていないとおかしいです。
そんな指導成果を出せる人なんて寡聞にして聞きません。
(居たら教えて下さい)
【結論】「ブログで稼ぐ」は嘘ではないが要注意
ここまで述べたように「ブログは稼げる」は嘘ではありません。
嘘ではないですが、簡単でもないしインフルエンサーは親切心で勧めているわけでもありません。
ポイントは以下の通り。
大量に人を呼び込んでアフィリエイト成約できればブログは稼げる
しかし既に大量に参入しているのでブルーオーシャンではない
インフルエンサーがブログを勧めるのは自分の利益のため
ここを理解したうえで参入するかどうか判断すると良いでしょう。
退職や退学は成功ルートが見えてから
ブログ活動をされる型の中には
「ブログ活動に集中するために会社(学校)を辞める」
と言う方もいます。
しかしそれは完全に悪手です。
ブログは「絶対に稼げる手段ではない」のですから、他の収益や未来を閉じてしまうと、失敗したときにリカバリが効きません。
転職するときは退職前に転職先の内定をとることがセオリーであるように、もしブログで稼いで会社を辞めたいなら「先に稼ぐ目処をつける」ことです。
既に自分の事業として軌道に乗っているのであれば、辞めたとしてもすぐに収益が断たれることはないのでリスクは少ないです。
周りに心配をかけないような活動ができると良いですね。
P.S.
WEBサイトの方でも情報提供しているので、よろしくおねがいしますm(_ _)m