間違えるということ
教室はまちがうところだ
小学生の頃、担任の先生が教えてくれた言葉。
ある絵本の話だと、帰りの会で話していた。
でもわたしは間違えたくなんてなかった。
いつだって正解を求めている。
だって言葉一つ間違えてしまえば、簡単に人は離れていくのだから。
人は間違いを見つけてはその人より上だと見下すのだから。
間違えた者は笑い物になるのだから。
先生に指され、チョークを右手に黒板に書き込む。
不確かな自分の答えを発表し、間違えていると稀に先生は「これは良い間違い方だね。」なんて言う。
この言葉のせいでわたしの回答が目立つようになる。
間違えることは恥ずかしくないのよ。なんて言うが、わたしからしたら恥ずかしいことなんだ。なぜそれをわかってくれないの?
訴えることなんてできなかった。
教室はまちがうところだ。
大人になると間違えてはいけないの?
会社では間違ってはいけないの?
間違いから人は学ぶならなぜすぐに見放すのだろう。
わたしが先輩になったとき。
後輩に必ずこう声をかけることにした。
ミスをするならわたしの前でしてね。
そうすれば教えることができるから。
わからないのは当たり前だよ。
わたしは間違いが怖かった。
わたしより下の子達がどうか恐れず前を向けるように、
わたしはいつでもまちがっていいのだと教えてやりたい。