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サラリーマンのキャリアは資産になるのか?
サラリーマンのキャリアは資産になるのか?
A. ならないのでは?
という考えを書きます。
資産とは何か
ここでは資産を「あとからじぶんを助けてくれるもの」と定義したいと思います。
圧倒的な成果をつくった話
はじめにわたしの経験を共有します。
ITの事業会社で働きました。雇用形態は正社員、つまりサラリーマンです。
最後にやった仕事は新しい事業の立ち上げで、基幹となるサービスの開発を行いました。ペンペン草も生えていないところから始めたのでいわゆる0→1と呼ばれる段階です。
役割的には「プロダクトマネージャー(PdM)」だったと思います。わかりやすくいえば、基幹サービス(プロダクト)を売り出すために必要なことを全てやる、何でも屋です。当時はまたPdMという概念は言語化されていませんでしたので、他人への説明に苦労したことを覚えています。
一般的なサラリーマンは上司の指示に従い仕事を行う場合が多いようですが、わたしの場合は、サービス設計から開発、検証、運用、組織作りまで、「これがよい」と思う形をじぶんで考案し最終の意思決定も行い実行もやるといった働き方をしました。
IRにも載る事業へ発展
上場企業だったので四半期にIRがあります。
立ち上げた事業は結果的に大きなものとなり、投資家向けプレゼンテーション資料にも載りました。コロナ禍でも増収増益、株価も随分高くなったので日本株投資をされる方はポートフォリオに入れた方がいるかもしれません。
B2B (企業相手の) プロダクトだったため、多くの人に直接的な認知はありません。ニッチな分野でもあるのですが、国内でNo.1とよべる規模を持つようにもなったと思います。
まさに社畜のように働く
これだけの大きな事業を成すためのプロセスは簡単ではありませんでした。
まさに社畜でした。泥水をすすり続けるような毎日、数多くの失敗もしました。ひどいときは週3回タクシーで朝帰りする日が続くなど、いま思えばなぜあんな働き方をしたのか?と自問するぐらいの最悪な働き方をしていたと思います。
つまり事業立ち上げに尽力した数年間、人生の8~9割の時間を割いたことになりました。
成功させ、プロジェクトを離れる
大変難産なプロジェクトでしたが、無事リリースし、最終的な大目標をクリアすることになりました。
ちょうどその頃、じぶんの中で一つの区切りと共にもやもやとした感情を抱くようになり、最終的には退職する道を選ぶことになりました。
プロダクトとチームは誰のもの?
大きな規模のプロダクトを成功させるには「良いチーム」が必要不可欠です。
良いチームは自然発生的にできあがることは120%有り得ません。個を活かすためのチーム作りは意図的に、戦略的に、緻密に行う必要があります。それもあわせて長らく実行してきたからこそ、そこに良いチームがありました。
ところで退職すると何が起こるのかというと、まず手塩にかけてきた「良いチーム」を失うことになりました。
加えて成功したプロダクトも誰のものか?といえば会社のもの、もっといえば上司の物になるのです。
大仕事をやり切るための方法論や経験の蓄積は出来ました。しかし、実質的に形あるもの=まさにいま価値を生めるものを「全て失った」ということです。
サラリーマンとして過ごす時間は資産となりえるのか
あらためて「サラリーマンのキャリアは資産になるのか」について考えてみたいと思います。
資産を「あとからじぶんを助けてくれるもの」と定義したいと思います。
企業を退職したわたしに残された「資産」は何だったのか。
・大仕事をやり切るための方法論や経験の蓄積
・チームメンバーとのゆるい繋がり
得たものが0であるとはいいません。しかしそもそも人生の掛けた時間に対するリターンとしてはあまりにもすくないのではないか?という疑問が沸きました。
資産性を高めるためのサラリーマンの振る舞い方が足りてなかった可能性は大いにあります。わたしの落ち度かもしれません。サラリーマンというゲーム性を正しく理解し、ハックする方が正解だったかもしれません。
結論
サラリーマンのキャリアは資産になるのか?
A. ならないのでは?
というお話をしました。
これはわたしという1人の人間のフィルターを通してみえた景色です。
この景色は様々あるとおもいます。もしも何か感じることがありましたらコメント欄をご利用頂ければとおもいます。