打ち上げ花火、どこからみよう。
シャッターの多くなった地元の商店街。
自転車をおすおばちゃんと、立ち話をするエプロン姿の女性。犬の散歩のおじいちゃんに、ただ通過する学ランの少年。
夕方になればほとんど人通りがなくなるはずのその道は、今日はなんだか違っていた。
赤、白、黄色、
水色、そして黒、
色とりどりの浴衣をまとった人々が、
押さないようにでもふれ合う距離で、
ある人は恋人と手を繋ぎ、ある人は友人とかき氷を食べながら、列をなして歩いていた。
「そっか、今日は花火大会だね。」
あたしはそっと隣を歩