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フワッと死ぬ(スピッツ)
20210416
このところ、スピッツにハマっている。
YouTubeのオススメにでてきて、懐かしいなあと思いながら聴いて、リピートしている。
多分、僕が生きていて一番最初に好きになったミュージシャンは、スピッツだったように思う。定期的にブームがきて、くり返し聴いてる。
4,5歳の時に『空も飛べるはず』や『ロビンソン』を歌っていた。
「THE夜もヒッパレ」っていう歌番組だったかを、親がカセットテープに録音していて、それが車で流れていたのような覚えがある。
色々と聴いてはいたのだろうけど、覚えてるのは多くはなくて、スピッツや久保田利伸あたりは、好きだったことを覚えてる。
この間、立ち寄ったブックオフで、スピッツの本が目に留まる。
ちょうどスピッツを聴いていたもんだから、ついつい手に取る。
パラパラ見てると、「前向きに生きていこう!じゃなくて、フワッと死んでいこう、そんな曲を」みたいなことが書いてある。
衝撃をうけると同時に、合点がいく。
スピッツの90年代の曲のpvなんかをみながら、ボーカルの草野さんの顔つきが気になっていた。
不健康ってわけではないのだけど、ハツラツとしきらない表情。陰があるとでも言えばいいのか。
この人は何を背負って、どういった類いの闇を背負いながら、歌ってくれてたのだろうか、と。
そこに、フワッと死んでいこう、って言葉があって、ああそういうことだったのかなと何か納得がある。
そして、僕がスピッツが好きだったのは、そんな死の匂いを嗅ぎとっていたのかなあとも思う。
別に退廃的な内容が好きとかではなくて、死を受け容れる、死を織り込み済みで生があるっていうスタンスが、曲の質感に現れてたのかなあと思ったりする。
4,5歳の時も、たまにくるマイブームの時も、たいして歌詞なんて意識していなかった。
でも今になって歌詞を読めば、よくこんなの好きになったな、というか国民的に売れてるなと不思議にさえなる(キャッチーなメロディ天晴!)。
そうやって振り返ると、僕が歌詞を意識することなく好んで聴いてたミュージシャンは皆、曲の中に死の受容を孕んでたのかもしれないという気になる。
スピッツ、BUMP OF CHICKEN、ルーリード、デイビットボウイ、フィッシュマンズ、相対性理論、キミドリ。
このあたりは、言葉の意味とか気にせず聴いてたけど、今読んでみればグサグサささる感じがすごい。
なんとなく体が好きになったモノってのは、結果的に後出しで、頭でも好きだったりすることがあるみたいと思えた体験だった。
なんとなく、ついつい、好きってことを大切に。