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ただそこにそっといてくれる (吉本ばなな)
20200523
ばななさんの本を読んでるとひどく安心する。
『キッチン』→『哀しい予感』→『TUGUMI』→『うたかた/サンクチュアリ』と、吉本ばなな時代の初期作を手に入った中で古い順から読んでいる。
ばななさんの本を読んだって、どこかへ導いてくれるわけでもないし、教えを説いてくれるわけでもない(僕自身、そんなことは、求めてない)。
ばななさんの書く話、ばななさんの書く人物たちは、ただそこに、そっと、いる。
別に、読んでいる僕となかよくするとか、そういうことではなく。
時間も空間もとびこえて、点々と、たしかにいるんだなあっていう実感みたいなものをもらえる気がする。
この世界についての理解者はすくなくとも一人はいるのかもなという安心とでもいうか。
それは自分のことを理解してくれるってことではなくて、世界に対する感度というかまなざしについて、もしかしたら自分は一人じゃないのかもという安心感。
そして、よしいっちょいきますか〜って感じで、気持ちよく、一人で孤独をたずさえる世界に帰っていける。
そんな勇気づけの処方箋として、いま僕はばななさんの本を読んでいる。