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バケモノ
20210222
僕は自分でつくるスパイス料理に嫉妬する時がある。
お前は褒められてばっかりでええなあ、と。
どこで出しても、誰に出しても、うまいと言ってもらってる。お世辞も多分にあるだろうけど、事実としてはそういう言葉をもらえてる。
おいしいと言ってもらえて、そのたびにマジでめっちゃうれしい。
ただその一方で、料理ってのはこんなにわかりやすく受け容れてもらえてうらやましい!キー!って思ったりもする。
何をアホなことをと自分でも思うのだけど、そんな想いが確かにある。
適当に流してしまうと、いつかしっぺ返しを食らいそうだから、着地点も決めぬままに書いている。
料理以外にも色々やってるはずなんだけどなあなんて、それはそれは鬱陶しくて仕方ない輩が顔を出す。
今ここに居られることをありがたく想う、みたいなことを念頭におきながらも、わずかでも隙を見せると、バケモノが襲ってくる。
そんなもんでは物足りないと、認めてもらいたくて仕方ないバケモノが内に巣食っていることに気づく。
いやいやいや、こうして日々生きて、好きにつくって、そのうちの一つが誰かに喜んでもらえてんだから十分じゃん、何を謎の贅沢言ってんだよ!と自分でツッコミたくなる。
グウの音も出ず、その通りです、と思いながら、やっぱり違うかもとも思う。
ツッコミの内容が合ってるとか間違えてるとかではない。
そうじゃなくて、内なるバケモノがいる、その存在を見て見ぬふりしてる場合ではない、ってことが気になる。
無視するわけでもなく、コントロールするわけでもなくって、確かにいるんだってことを認めて、お互いのあり方に関心を持つこと。
バケモノに会えたことを、そのことを奇跡と認識できてやっと、次のバケモノと出逢うチャンスが待ってる。
いつだって、バケモノ(=チャンス)はどこからともなく内側にやってくる。