生殺与奪

支配者の定義は色々あるけれど、他者に対して生殺与奪を有しているのはその一つになるかな。

現代の地球で人類種は他の生物に対してこの生殺与奪を有していると言えるかもしれないね。
人類にとって有益な生物は生かされ(飼われ)その逆、不利益をもたらすものは排除、根絶される。

その際に人類は己の叡智を最大限活用し他の種には出来ない方法で根絶を試みる。

生命の神秘を解き明かす遺伝子研究を応用してこのようなことができるようになってきた。

フロリダ州南端の熱帯の島々であるキーズ諸島では遺伝子操作をされた蚊の卵が入った箱が3地域の6ヵ所に設置され、そこから5月初めの2週間以内に蚊が出現するという。
(中略)
なお、人間を刺して病気を媒介するのはメスの蚊だけだが、オキシテック社が改変したのは人間を刺さないオスの蚊だ。遺伝子操作されたオスの蚊は野生のメスの蚊と交配し、その遺伝子を引き継いだメスの子孫は幼虫の段階で死に絶え、人を刺すことも子孫を残すこともない。
他方、遺伝子を引き継いだオスの子孫は死なず、成虫になった後に野生のメスと交配し、さらにそこで生まれるメスの子孫の成長を防ぐ。そうやって野生の蚊の間で特定の遺伝子を広め、病気を媒介するメスの蚊の個体数を抑制しようというものだ。

人類にとって病原菌を媒介する蚊は非常に厄介な生物。
なんとしても排除したいという気持ちからここまできた。

この種に対して、メスに生まれた場合には幼虫のうちに死ぬ呪いをかけたということ。
人間を刺さないオスに生まれた場合は生かされ、継続して呪いを振りまき続ける。
そしていずれこの種は当該地域では滅びるってわけだね。

蚊を根絶しようって場合、地域一帯に殺虫剤撒けばいいってもんでもなくて(他の生物、人間自身にも影響がある)この手段は中々考えたなと。

そしてあらゆるツガイを作る生き物に対して有効な手段なわけで、人類というのは本当に恐ろしい。
自分たちが排除すると決めたらここまでやるわけだ。


一方で、これ以上同じ地球に住む身として生態系に影響を与えないために、絶滅危惧種を救おう!って動きがあることは知られていると思う。
数を減らしている動物の保護のため寄付金なども募っている。
一見素晴らしいことのようにみえるけど、見かたを変えると少し感想が変わるかもしれない。

美しい大型のほ乳類は保護対象に選定されやすいのに対し、は虫類や両生類は選定されにくく、植物は推薦さえされにくいことに気付きました。研究を進めるうちにたどり着いた答えは、人間の目から見て美しい種、また経済的に有益な種が優先的に保護されている現状でした。

保護活動にはお金がかかるからね。
一般の人たちの関心も引きつけて、寄付を募らないと活動を続けていけない。
そしてその関心を惹きつけるには魅力的な見た目が大事、ってわけ。
まさにかわいいは正義!

昔、「人は見た目が9割」なんて本がベストセラーになってたが、見た目が大事なのは人だけではないようだね。
いや、人にいい印象をもってもらいましょうって話だからある意味同じことを示唆しているのかな?


生かすも殺すも我々次第って現状、どう感じるかなってお話でした。


おまけ

なんでもグッズあって草

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