ガチャ vs バトルパス
ガチャとバトルパス、どちらもデジタルゲームのマネタイズ手法の名前である。
ガチャは聞き馴染み合っても、バトルパスってのは導入されてるゲームをやってないと聞いたことがないかもしれない。
有名どころだとApexやFortniteがバトルパスを採用している。
バトルパスを購入すると一定期間の間、経験値を貯めることで上がっていくバトルパスレベル毎に報酬がもらえる仕組み。
経験値はバトルパスを買う前でも内部的に溜まっている仕様のゲームが多く、その場合は買った瞬間にそこまでの報酬がもらえる。
ガチャと違って好意的に捉えられてるとことして、何をすればどれだけの報酬が獲得できるのかが明示されていること。
お金を払うタイミングもパス購入時一回のみなので、熱くなって使いすぎてしまうということがない。
一見いいことずくめなバトルパスだが、設定次第ではプレイヤーをうんざりさせてしまうこともある。
RedditユーザーのGrubbyLilPaws氏はバトルパスのレベルを2にするために「デイリーチャレンジ5つ、20,000XP、上位5位を3回、8キル、チャンピオン1回」が必要だったと投稿。
Sp00kyGamer氏はバトルパスをコンプリートするためには毎日欠かさず遊んですべてのデイリー/ウィークリーチャレンジを達成する必要があるとの計算結果を投稿しています。
バトルパスはその性質上プレイヤーをゲームに長時間拘束させる。
バトルパス購入ユーザーは、たとえ途中で要求が厳しいと思っても購入費用を無駄にしたくなくて頑張り、そして疲れてしまう。
先に払うことで後に引けなくなる。
俗に言うコンコルドの誤謬がバトルパスにもありそうだ。
ガチャの場合は、お金を投入し続け、バトルパスの場合は時間を投入し続けるわけだ。
運営側としては、ガチャならもっと売り上がるところを定額のバトルパスにすることで売上自体は落ちるものの、ゲームプレイ時間は飛躍的に伸びるという目算があると思う。
ApexやFortniteといった対戦ゲームはプレイヤー人口を維持することが何よりも大事、というところでこの仕組を採用しているんだろうなと思った。
このバトルパス近年スマホゲームなどのにも広がりつつあるが、ガチャにとってかわるだろうか?
今の所ガチャとバトルパスを併用しているところが多いように見える。
バトルパスはあまり無茶な値段設定にできず(購入のハードルが即時のガチャにくらべて高い)どうしてもそれだけでガチャで売り上げていた金額を賄うにはならなそうだ。
それでもガチャオンリーのときと比べれば、昔のオンラインゲーム月額課金時代とおなじく、安定した売上予測が立つようになり、結果として無茶なゲーム運営に追い込まれることも減るのではないか。
こうやって少しづつ、ギャンブル性の強いガチャから定額制のバトルパスへ移行が進んでいけば、運営もプレイヤーも幸せになれる気がする。
運営とプレイヤー、本来ゲームが長く続いて欲しいという側面では利害が一致しているのだから、穏やかなマネタイズが主流になってくれると、従事している身としては嬉しい限りだ。
おまけ
ApexやFortniteのバトルパスって、全部こなすと次のシーズンのバトルパス購入分の費用(Apexコイン、Vバックス)が返ってくるらしい。
つまり毎回こなせてれば初回分だけで延々と報酬がもらえると。
こりゃあみんな拘束されるの納得。