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RIZAP 2023年度中間決算とDX進捗

こんにちは、からKINGです。

今回はRIZAP 2023年3月期の中間決算から、前期計画の答え合わせとDXの進捗をみていきます。

■前年同期比・他社比較

前年半期・通期との比較、ついでに同業のカーブスとの比較

2020年3月期はコロナのため大赤字から、構造改革が奏功し見事に2期連続の黒字でした。
今期(2023年3月期)は前半期と比べて売上高は若干の減収、売上総利益は前年並みですが、新規事業「chocozap」をローンチし、約17億の先行投資を行ったとのことです。
その結果半期では経常利益・純利益とも営業損失となっています。
苦労して構造改革をおこなった末の黒字をあっさり捨てて次の成長に向けて積極投資するって、瀬戸社長はすごい経営者だな~と思います。

■ビジネスモデルを確認
RIZAPと言えばあの有名CMですが、M&Aを繰り返して
1.RIZAPを中心とした「ヘルスケア・美容」 セグメント売上高約26%
2.ジーンズメイトやワンダーコーポレーションなど、アパレル・小売りの「ライフスタイル」 セグメント売上高約50%
3.保育・介護・法人向け、その他物販などの「インベストメント」
 セグメント売上高約23%
となっており、売上高ではRIZAPよりアパレル・小売りの規模が大きくなっています。

RIZAPとのシナジーを期待してということですが、その効果はまだこれからなのかな、というところです。

■2023年度~2026年度 中期経営計画
前回までの中期経営計画は以下の通り

【構造改革期】
 ・不採算事業の止血 → 不採算の9事業売却、10社黒字転換
 ・販管費削減 → 本社のスペース削減など 計247億円のコスト削減
 ・不採算店舗の撤退 → 332店舗の削減
 ・財務健全化 → 有利子負債を298億円の削減

【コロナ禍での改革=本格的な変革・DX】
 ・間接機能をグループの子会社に集約
 ・EC比率倍増
 ・BPX → ビジネスプロセストランスフォーメーション

RIZAPグループ 中期経営計画より

思い切ったリストラや合理的なコストコントロールなど、
結果的に構造改革を成功させて黒字転換はお見事!だと思います。

ただ、あのCMが最近控え目になったのは少し残念です。
RIZAPの躍進にTVCMが大きな役割を果たしていたし、少し前に流れていた「シニア向け」で大村崑さんや松平健さんの元気な姿はインパクト大でしたし、増え続ける高齢者の健康寿命を延ばすシニア向けは、まだまだ伸ばしてほしかったです。

■DXについて
2021年5月の決算説明資料で「DX人材100名採用」とぶち上げていました。
→2022年にはRIZAPテクノロジーズとしてIT部門を分社化。
 現在は従業員47名でグループ全体のIT/DXを主導しているとのこと。
 各子会社にIT部門が残っているのかは分かりませんが、100名の目標に対して47名採用したって感じでしょうか。
 いずれもキャリア採用で即戦力な優秀メンバーが参画、、うらやましい!!
RIZAPテクノロジーズ株式会社 (rizap-tech.co.jp)

前回の中期経営計画とDX推進の答えあわせ
【効率化】
・リモートワークの推進で本社はじめ賃料の圧縮 →○:本社スペースの削減に寄与
・リアル店舗を削減しECやオンラインサービスを拡充 →○:リアル店舗削減、EC比率20%超。
   上記RIZAPテクノロジーズにはプロのWEBマーケターも参画やアプリもリリースしており、今後も伸びが期待できる。
・間接業務の見直しとグループ間の共通機能(人事・財務・システム)の統合 →○:グループの間接業務を「RIZAPビジネスイノベーション」社に集約。
・BPOやRPAの導入で自動化、外注化 →○:RPA導入したみたい。
・在庫回転率をあげるための在庫管理 →○:

→ほぼすべての項目を有言実行!さすが「結果にコミットする」RIZAP。
 ここまでしっかり計画を実行できるって、瀬戸社長の本領発揮か。

今後もRIZAPテクノロジーを中心に旺盛なDX投資を予定しており、新規事業のchocozapだけでも4年間に300億円のDX投資予定とのことです。うーんやっぱりITに対する知見が深い。

【売上強化】
・お客様IDをグループ横断で活用、顧客ビッグッデータ分析
・高付加価値業務への集中
・ハイパフォーマーなトレーナーのノウハウを共有
・顧客のライフイベントに沿ったAI提案
・オフライン×オンラインで顧客接点を切らさない
・低額なサブスク「シニア」「メディカル」プランでボディメイクだけでなく「健康」シフト。
etc.

■今後の成長について
今後はchocozapを事業の中心にRIZAP事業のリブランディングを進め、2026年には2000店舗、売上高710億円をめざすとのこと。
chocozapはAI/IoTをフル活用して、完全無人ながらAIがパーソナルトレーナーになり、顧客サポートをおこなうことで低価格を実現するようです。

個人的には、chocozapは入念にテストマーケティンを行った結果のリリースだと思いますが、月2980円のchocozapが本業のRIZAPとカニバリを起こし、高額を支払うRIZAPの顧客が「chocozapで十分じゃない?」と離れてしまわないかが気になります。
またシニア向けで先行するカーブスも強いので(あちらは有人トレーナーあり格安)2つの事業が「二兎を追う者は一兎をも得ず」にならないよう、はっきり差別化する必要があるのかなと思います。

いずれにせよ、やっぱり同業の中ではDX化に一歩リードしており、スピード感のある会社なので、今後の展開が楽しみです。

RIZAPグループ(株)【2928】:詳細情報 - Yahoo!ファイナンス

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