明日の空 vol.7
第七章「居酒屋のあの子」
それは、就職して一人暮らしを始めてようやく生活が落ち着いてきたある日のことだった。
新しいお店を開拓しようと、駅前の大通りから少し入ったところにある。『茶和亭(さわてい)』という居酒屋に入った。
このお店、昼はレンタルで貸し出しており、色んなジャンルの飲食店が週替わりで営業しており、夜は居酒屋というお店で、駅からの帰り道気になる店の一つだった。
入口から、暖簾をくぐって入ると、「イラッシャイマセー。コチラノオセキヘドゾ。」と席へ案内された。
私は、席に着き「とりあえず…ビールとあとオススメのおつまみありますか?」と聞いた。
お店の店員さんは、「ソウデスネー。アゲダシドーフとか、ポテサラトカ。」と教えてくれた。
「じゃあ、ビールと揚出し豆腐とポテサラで。」と言うと、「ハイ、アリガトウ。」とその店員さん
は言った。
店員さんは、異国の方のようでとっても笑顔が素敵な可愛らしい女の人だった。
「ビール、アケダシドーフ、ポテトサラダデス。コノポテトサラダハ、ワタシモ゙スキデス。オイシイデスヨ。」と親指を立ててグーとサインもそえて教えてくれた。
「ありがとうございます。日本語上手ですね。どちらの国の方ですか?」と聞くと、「ワタシハ、タイカラキマシタ。ニックネームハ、ウポー。」と笑顔で胸に付いている名札を見せてくれた。
「ウポーちゃん、ありがとう!ポテトサラダ食べてみます」とこちらもグーとサインを出して笑顔で返した。その時食べたポテトサラダが美味しくて、揚出し豆腐も…お店のメニュー全部制覇したくなって、週1で茶和亭に通うのが習慣となりすっかり常連の仲間入りを果たしていた。
ーーここ最近、ぽんずさんと屋上居酒屋の日々なので、このタイミングで久々に私は茶和亭に行くことにした。
「お久しぶりです!」と店内に入って行くと、花が咲いたように明るい笑顔でウポーちゃんが出迎えてくれた。
「ヒサビサデスネ。タミさん!チョットシンパイシテタ。シバラクLINEもコナイシ…。」と声をかけてくれた。
ウポーちゃんとは始めて出会ってから、週1で店へ通う中で、すっかり打ち解けて今ではLINEを交換してお友達になっていた。
「まぁ、ちょっと色々とあってね。。ごめんねご無沙汰してて、ビールとポテトサラダいい?」と伝えると、彼女は笑顔で応えてくれた。
「ハイ!ドゾ。」と持ってきてくれたビールとポテトサラダを食べながら、ウポーちゃんに「お店終わったあと少し話せる?」と私は聞いた。
「アシタ、ジュギョウゴゴカラダカラダイジョウブ!」と仕事が終わったあと合うことを約束した。
ウポーちゃんに、ぽんずさんの話をしたい!それに、ここしばらくの状況も伝えておきたい。そう思って店終わりまで店で飲むことにした…。
次号へ続く…
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