明日の空 vol.8
第八章「あの日の出来事」
私は、一足先に店を出て道を挟んで向かいのコンビニで時間を潰していた。今日は、久々の茶和亭だったこともあってか、結構呑んだし食べ過ぎだ。
「お腹いっぱいで何も買う気にならん(笑)」と呟いて、明日の朝食のパンを選んでいた。
「オマタセ シマシタ。ナニ カッテルノ?パン?コレ オイシイヨ!」と、新発売のザクサククロワッサンなるものを指さしていた。
「ありがとう。新商品なんだ!私、気に入ったものを飽きるまで食べ続けちゃう癖があってさ、オススメされるとありがたい!」と私は言った。
「タミさん、アノヒ ハジメテ ミセキタトキモ、オススメキイテタネ。」と彼女は言った。
「自分の好きなものが、固まりすぎて、人からオススメされたものは、とりあえず試してみることにしてるんだよね。意外といい出会いするからね。」と言うと、「イイ ココロガケ。ソノ カンガエ ステキ!」と褒めてくれた。
私は、ザクザククロワッサンとお茶のペットボトルを買って店を出た。
店を出てすぐにお茶のペットボトルをウポーちゃんへ手渡す。「お疲れ様!良かったら、これ飲んで!」彼女は、「アリガトウ!!」というとお茶をグビグビ飲んでプハーと清々しい飲みっぷりを見せてくれた。
それから、しばらく歩いて深夜営業もしているファミレスへ入る。私もウポーちゃんも、フリードリンクを頼み好きなドリンクを入れて、やっと席についた。
「最近、茶和亭に行くのご無沙汰してて、ちょっとウポーちゃんに話したい近況があってね」と、長く付き合っていた彼から呼び出され、おめかしをして出かけたこと。思いがけずフラれたこと。団地の屋上から飛び降りようとしたこと…。
ウポーちゃんは、静かに頷いて聞いてくれて、屋上から飛び降りようとした話をしたところで、ギュッと私をハグしてくれた。
「タミさん、イロイロ ハナシテクレテ アリガトウ。ソレハ、ツラカッタネ。」続けて、ウポーちゃんは、「カレシノハナシ イツモ、ミセデシテクレテタシ。ハナストキ スゴク ウレシソウダッタカラ。サミシイネ。」と一緒に悲しんでくれた。
「デモ、タミさん イナクナッタラ サミシイ。ダカラ、ドンナトキモ ワタシハ ミカタダカラ イナクナラナイデネ。」と明るい笑顔でさらにギュッとしてくれた。
「ありがとう。ウポーちゃん。良い友人を持ったわ私」とギュッと抱きしめ返した。
「でね、そのとき屋上にぽんずさんていう人が晩酌してて、私がバカらしくなって笑ってたら、そこをみられてね。。で、着てたコートあげて、一緒にお酒飲んで仲良くなって、毎日と言っていいほど通ってるの。」とぽんずさんの話をした。
「ナルホド、ソウイウコトカ。ポンズさん、イイヒト。オサケスキナラ コンドオミセキテネ。ポンズさん アッテミタイ。」とウポーちゃんは言った。
「ぽんずさん、絶対連れてくね!!ウポーちゃんも好きになるよきっと。」と謎の自信を胸にそう伝えた。
それから、しばらく最近のお互いの出来事を少し話してファミレスを後にした。
次号へ続く…
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