SDGs教育でまず教えるべきと思うこと
考えるきっかけになったもの
Twitterを見ていると、以下のツイートが目についた。
記事は読んでいないので、今回はここに書かれている生徒の感想から私が感じたことを記載する。
これ好き
"学校教育の現場でもSDGs教育は盛んに行われており、ある小学校3年生の保護者は「子どもが『人間はいらない』『人間のせいで地球が滅びるから、少し死んだ方がいい』と言う」と頭を抱える。"
https://news.yahoo.co.jp/articles/e63b4c9a20fa498f0c7cd5c7ea35d80fc5485687
確かに、現状のSDGs教育であったり、企業が"SDGs"と言われて着目するものは、SDGs全体ではなくそれぞれの項目であり、特に環境関係が身近で取り組みやすい。
その取り組みから、環境破壊を行なっているのが人間の営みが原因だと知り、特に子ども達は「人間がいらない」と言う結論になるのは当然の結果だろう。
その感想を生徒達が抱いたことは間違いでなく、その感想を抱かせてしまった私達に問題がある。
何のためのSDGsか
その問題を解決するにはどうしたら良いのか。
答えは簡単で、「何のため」にSDGsが推められているのか、「何のため」に環境を保護するのか、を明らかにすれば良い。
「何のため」にSDGsが推められているのかは、「SDGs」の正式な名前を確認すれば良い。
social sustainable development goals(持続可能な開発目標)である。
SDGsは良くも悪くも、人間のための目標であり、子ども達、その先の世代が開発/発展できるように環境を整えるための目標だ。
そして、自然環境が悪化していくと資源が使えなくなったり、人口が低下して発展できないから、環境を保護しようと言うことになる。
きちんと、そこの認識合わせが行えれば、上記のツイートのような感想は抱かないであろう。
もう少し、踏み込むのであればSDGsの前文を読んでみるのが良い。
以下、PDFに固っ苦しい前文が書いてある。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf
生徒には少し難しいので、ここでは日本ユニセフが提供している子ども向けの前文を一部引用しよう。
この計画(アジェンダ)は、人間と地球、そして 繁栄のための行動計画です。
そして、より大きな自由と、平和を追い求めるものでもあります。
わたしたちは、持続可能な世界を築くためには、
極度の貧困をふくめ、あらゆる形の、
そして、あらゆる面の貧困をなくすことが一番大きな、
解決しなければならない課題であると、みとめます。
すべての国と人びとが協力しあってこの計画を実行します。
わたしたちは、人びとを貧困や欠乏からときはなち、地球を守ることを決意します。
ここでも書かれている通り、「人間と地球、そして繁栄のための行動計画」なのだ。
時間が無いなら、プリントで穴埋めをしてもらえば、多少認識は変わるであろう。
少しあるならこの全文を読んでどのように感じたのか、SDGsでは何が重視されているのかをディスカッションしてもらうと良いのでは無いか。
(本題から逸れるが、SDGsの前文で触れられているのは貧困問題である。高校生や大学生にはここまで目を向けてもらいたい。)
最後に
偉そうに追加で教えるべきだと思うことと書いたが、学校での時間と言うのは限られていることも頭に入れておく必要がある。
学校現場であれば、SDGs教育と言いつつも郷土教育などと絡めたりしないと、到底どこかの省庁様から指示された生徒に教えるべき内容をカバーできない。
かく言う私も、中学校で郷土教育の一環として環境ワークショップを企画した際に、SDGsも絡めて説明したが、SDGsの観点から自然を守ることを行うの重要性を考えてもらう時間を軽視してしまった。
(もちろん郷土の自然を守ることで、生態系を後世に残せる、綺麗な自然が保たれ愛着が湧くであったり、観光資源になるなどの、郷土教育からの説明は行った。ただ、これだけだと「人間がいらない」と言う感想を持たれかねない。)
なので、自戒のための文章でもある。
時間が厳しいのは分かっているが、何に対しても目的を明らかにして伝えるということだけは、しっかり行わなければならないと感じた記事、ツイートであった。