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AIBATOを終えて‐確率と閃きの間に瞬間の美を見る‐

どうも殻尾(からびー)です。

実は今週幕張メッセで開催されていたAI・人工知能expoにてこんなイベントが行われていたのはご存じでしょうか( ・ω・)ノ

AIイラストをe-sports化しようと言う昨今ちらほら聞くようになった催しですが、この規模で行うのは国内では初との事。
私もエントリーしていたのですが、なんと予選を突破したとの連絡が入り、
本戦出場の為に急遽会場にお呼ばれする事になりました。

結果―――何と準優勝(;゚Д゚)

大会の詳しい様子は何やら後日どこかで配信されるそうなので其方を見てもらうとして……今日は対戦の中で図らずも見えた(様な気がした)「AIアートの真髄とは」、と言う話。

……………のっけからハードルを大きく上げてしまったような気がしますがこのまま行きましょう( ̄▽ ̄;)

・選定と対話

そもそも「AI画像はアートなのか?」と言う問いに関しては未だに大きく意見が分かれるところでしょう。取り敢えずそう言う根本的な部分は一先ず横に置いて、現状画像生成で作品を作り上げるルートは大きく分けて二つあると思っています。

  1. LLM(chatGPTとかclaudeとかGeminiとか系のAI)から大量かつ無尽蔵にアイディアを引出し、その中から自分の意図に沿った優れた物を採用する【選定方式】

  2. 自らの思い描く情景を直接プロンプトとして打ち込み、結果を元にブラッシュアップを行う【対話方式】

今回のAIBATO出場選手もこの2タイプに分かれていたように思います。
勿論両方を使い分ける人もいるでしょうが、少なくとも私は2番一辺倒のタイプ。
1番はよくディレクターに例えられますが、2番は何方かと言うと将棋に近いかもしれません。最初の一枚を生成する前から脳内に完成イメージは出来ていて、実はこの時AIが出してくるであろう生成結果も何枚か頭の中には浮かんでいます。只、実際にAIが出してくるのは予想Aかもしれないし予想Bかもしれない。これは文字通り確率の世界です。どちらでも無くCが出て来たなんて事もザラにあるわけですが、その出力結果を受けて次の一手を打つ。

普段行う生成は何の制約も無い上に便利な補助機能も沢山ありますが、アートバトルの場では補助機能はほぼ使えない上に、10分~15分と言う超短時間で1枚の絵を完成させなければなりません。
従って上述の

  1. お題に対し脳内で完成形を構築すると同時にAIの出力予想も思い浮かべる

  2. 完成形をプロンプトに落とし込む

  3. 生成する

  4. 出力結果に対して修正案を検討しプロンプトに反映する

このワークフローの3と4をほぼノータイムで繰り返す事になります。
すると面白い事が起きるもので、ある時突然手が勝手に何の関係も無い様な単語を打ち込み始めます。最早左脳で考えていない、脳内で言語化する前に既にプロンプトを打ち込んでいる状態になるのです。

実際、決勝では審査員からこんなコメント(左側動画2:36ぐらいから)を頂きました。

「化学反応」と言う言葉が出て来ますが、個人的には何方かと言うと「突然変異」と言った方が正しいかもしれません。
只、確率を基にピクセルノイズを除去し画像を出力する画像生成AIと言うツールを、フル回転状態の脳から生まれる閃きに従って操作した時に生まれる絵の連続的な変化。そして結果的に当初の完成予想図とは似ても似つかないが、クオリティは大きく上がったと断言できる一枚の画像

―――あの瞬間こそは正しく「AIアート」だったのではないか。

今になって思い返すと、そう思えてなりません( ˘ω˘ )

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