ウクライナ紛争・ロシア死亡のお知らせ(前編)←恐怖!西側自由主義陣営による同時多方向無制限全面金融攻撃という新次元の戦争について(2022/3/2カクヨム初出文)
【2025/1/5補足】
この内容はロシア・プーチン政権がウクライナ侵略戦争を始めた直後の2022年3月2日に緊急に俎上した内容です。カクヨムの読者の皆さんから「ロシアをカネで考えてくれ」という要望があったため急遽UPした内容になります。
この時には「ウクライナは3日で崩壊する」と言われていて、持ちこたえても半年くらいだろうと言われていた時期でした。
一方、ワイの評価判定は当時の軍事評論家や政治学者の意見とは全く正反対の「ロシア即死」という判定でした。
ちなみにワイは「ロシアが軍事進攻する可能性はない!」と断言し、外しています。合理的にカネで考えれば資源大国・軍事大国ロシアが政治経済含めて圧倒的に劣位にあるウクライナを侵略する意味がないからでした。常に劣勢にあったのはウクライナであり、ウクライナはEUにとってもお荷物扱いされていて、事実、EU加盟もNATO加盟も拒否されていました。他方、ロシアは2015年のクリミア併合(侵略)により既に西側から経済制裁を受け、特に軍事物品〜テクノロジー関係を中心にロシアとの協業の禁止・輸出禁止を含んでいて、この悪影響で軍事物品の現代化に失敗し、それどころか産業振興も滞っていました。
よって普通に考えればロシアが戦争できる状況ではなく、大量の資源を武器に政治的な持久戦に持ち込むのが当然と考えたからでした。
しかし結果は戦争勃発でした。「外しました」…m(_ _)m
とはいえ「別に恥ずかしくもない」のです。ワイは軍事の素人で特に興味もないからです。外して当然…とも思います。政治家でもなく、ミリオタでもないからです。外した理由は「独裁者は合理的には考えない」からです。バカの相手は出来ないということです。
逆に言えば「カネで外すわけにはいかない」という決意はありました。こちらはワイの主戦場です。そして「ドル決済から完全に切り離す全面金融制裁の発動」をもって「ロシア死亡」と判断しました。戦争を決するのはカネであり、カネ(=ドル)から切り離された以上、もはやロシアに勝利はありません。これはそういう話です…m(_ _)m
今後、トランプの野郎が何を言い出して何を仕出かすか分からないので将来の正確な予想は(今の段階では)不可能なのですが、ロシアが生き残るかどうかは「単に西側がどのくらい経済制裁を解除するか?」にかかっています。軍事的・地政学的な戦況や戦力ではありません。カネです。トランプとヴァンスが頭が悪ければ対露経済制裁を解除するでしょう。そうなればプーチンは7年戦争の時のフリードリヒ二世のような奇跡に恵まれることでしょう。ウクライナはロシアのモノになるかもしれませんが、まあ、そこまでかもしれません(ならないような気がしますが…)。さしあたり、全てはドルが決める戦争です。ウクライナ紛争はそういう戦争だった、という内容です。なお、当時の雰囲気をそのまま伝えるべきという判断と「歴史を書き換えるべきではない」という反歴史修正主義から、内容に不整合があっても2022/3/2の状況分析のママ、お届けします…m(_ _)m
【訃報】ロシア・プーチン政権死亡のお知らせ…m(_ _)m
2022年2月22日ウクライナに対して軍事侵攻したロシア・プーチン政権に対し、先週の土曜日(つまり週末2/25日)に日米英欧の基軸通貨国がSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアの全面排除を決定、ついで「ロシア中央銀行の資産凍結」という激烈なカードを矢継ぎ早に切っていきました。これを受けての週明け2/28〜3/1のロシアの動き(←制裁決定後の最初の営業日)を確認したのですが、
ロシア死亡
が、ほぼ確定したのでお知らせいたします…m(_ _)m
※ ※ ※
今回の国際銀行間通信協会は「一部」ロシア系金融機関の「ドル」決済の排除の形にはなってますが、おそらく「一部」≒欧州のエネルギー系決済のみ生存というだけの事で現実問題としてほぼ完全封鎖に近いと思われます。また「ドル」=円ポンドユーロの基軸通貨+主要国通貨すべてなので人民元を除く全ての国との決済が出来なくなったと考えるべき全面金融制裁と考えるべきでしょう。
もともと円ユーロポンドドルは無限通貨スワップを結んでいて事実上の地球共通通貨=ドルなので、ドル決済からの排除は「地球文明から叩き出す」に近い状況です。これだけでも即死案件ですが、3月になりもう一つの致命傷たる「ロシア中央銀行への金融制裁」が日米英欧州などで実施されました。主に資産凍結のようです。ワイ的にはこちらの方が遥かに致命傷で、ロシア中央銀行が国内外にもっている資産をドルなどに換金できないために、ルーブル暴落時に補填するカネがなくなったばかりか、海外に残置されているルーブルであっても取り戻すことができず(これは海外のロシア人の給与などに割り当てられる分含む)「死に体」みたいになりました。分かりやすくいえばアンドロメダ級の連装拡散波動砲みたいなもので、SWIFT排除が左砲・露中銀資産凍結が右砲の同時射撃で国一つが全方向から丸焼けになったような地獄絵図です。
そこでこの異次元の戦い方である日米英欧州自由主義連合軍による同時多方向無制限全面金融攻撃の戦果概況について速報値ですが、軽く確認してみますm(_ _)m
※ ※ ※
ロシア株式市場RTSI ←破滅
ロシアによるウクライナ侵攻直後からロシアの株式市場は大暴落。その結果、1月の時に比べて40%程度にまで規模が激減。これは1929年の世界大恐慌時に米国ダウがつけた最安値に迫る程の下落で、しかも僅か数日での下げとしてはほぼ前例がないほどです。それだけ資産が引き抜かれたor溶解したということですが、翌日3月1日になってからはそもそものロシア市場RTSIが開いていません(爆死
開ければ思惑買いと暴落を繰り返すだけでしょうし(上下に動かすことで利ざやが稼げる)、経済の自律的回復の見込も当面は立たないと思われます。ロシアは強い二次産業がほとんどなく、サービス業で世界的な強さを持つものの主だった輸出はエネルギーや鉱物資源・小麦などの一次産業品で、金融サービスハイテク分野は世界的な規制によって、また資源も輸出不能なだけでなく中共のような強力な国内製造業もないので資源の活用ができない事が予想されます。
一次産業も資金不足から操業不能に陥るのは必至なだけでなく、そもそもロシアはGDPが韓国以下と大変小さく、また国内市場も小さいので生産と消費の双方が先細ると思われ…です。それ以前の問題として、社会を動かすカネがルーブル暴落で力尽きているのでは満足な企業活動さえ出来ないでしょう。これではRTSIはこれからも開いたり閉じたりを繰り返すだけの可能性があります。もはやロシア経済が実質、破滅したことを意味します。絶望的な景気後退と長期のリセッションは不可避と思われます。
ルーブル ←紙切れ
2007年くらいの一番高い時、1ルーブル≒4.8円くらいでしたが、いま1ルーブル≒1円くらいです(爆死
この墜落は開戦直前と終戦直後の帝国円の暴落率と同じくらいです。つまり「敗戦」です。そもそもルーブルは長期下落傾向にあり紛争直前時には1ルーブル≒1.5円程だったのですが、さらに急落です。対ドルでも一日で30%下落(1ドル≒119ルーブルにまで暴落)で当然、最安値。いわゆる「ナイアガラの滝」状態。
加えてドル決済からの排除を受けての不安からロシア人が銀行やATMに殺到。預金引き出し祭り→ルーブル大量に消滅で多数の市中銀行が預金封鎖もしくは破綻の危機に直面しています。ツイッターなどで漏れ伝わる情報だと、既にドル闇市が乱立していて、引き抜いたルーブルをドルに換金する動きが出ている他、紙くずになるまえに電化製品(主に外国製)などを購入するというインフレヘッジが見られます。引き抜けた人たちは少し幸運で、引き出せなかった人はもう現金資産はゼロになったでしょう。また海外にいるロシア人も同じでルーブルを引き出そうとしても引き出せない(←銀行に現金がもうない)か、引き出せたとしてもベラボーな暴落レートになっているので「資産が溶けた」状態で、ほぼ無一文になったようです。終わりです。ワイ的には…
・闇レートが急上昇する前にドルに換金する
・すぐに家電製品や自動車などの「価値が減損しにくい現物資産」を購入する(←数分単位で物価が上がっていく事に注意)
・良好な不動産物件を購入する(←同上)
…くらいしか手がなく、金持ちでないならもはや運を天に任せるしかないです。地金のGOLDも買えたなら結構ですが、爆上がりでチョットしか買えないのではないでしょうか? しかも地金のGoldであってもルーブルが紙切れになったのなら、「外貨と交換できないのなら流動性は存在しない」ので価値がなくなりました。ルーブルは対外的に暴落し、これから輸入品を中心に激しいインフレ地獄を見ることになるでしょう。産業力が乏しいために小麦のような自給できるものを含めても大抵の物価が急上昇すると思われます。エネルギー不足の心配はないものの、産業を動かすカネが尽きれば終わりなのは同じことです。
現在は民間企業に強制的に外国資産などの放出によってかろうじてルーブルの価値が維持されていますが、ほぼ最安値圏を維持するのが精一杯。このカネが尽きた時、底が抜けると思われます。こういう絶望的な状況の時、普通は政策として固定相場制に戻るものですが、固定相場よりもルーブルの価値が下落する場合(そして大抵はそうなる)にはルーブルの紙切れ化が一層進み、闇ドルや物物交換に頼る闇市場が広がって貧富の格差が爆増するのが常です。かつての旧ソ連崩壊後に似たような光景で売春婦とホームレスの飲んだくればかりになる可能性が高いです。
民間金融機関および民間企業 ←全滅
と同時にロシアの主要銀行およびエネルギー系企業に対しての取引制限(事実上の禁止)措置を打ち出しました。海外での業務が出来なくなっただけでなく、海外からの資金調達が不可能+それまでに抱えていた負債に対して支払不能になる可能性が大です。つまり破綻です。事実、最初の一日だけでロシア最大手銀行のズベルバンクのオーストリア支店「ズベルバンク・ヨーロッパ」が大規模な預金の引き抜きを受け、資金枯渇によりほぼ潰滅。清算手続きに入るそうです。ズベルバンク以外にもVTB、ガスプロム等のプーチンに近いオルガルヒと呼ばれた連中が経営する金融機関も早晩、こうなるでしょう。
海外での支払不能事案は当該銀行の即デフォルトであり、大手銀行が破綻すればロシア国内の金融機関も潰滅すると思われます。特に外為系を殺しにかかっていて、ロシア金融機関の資産のほぼ全て(一日大体5兆円の取引量)がターゲットになっています。多分、全滅です。
また日米英欧の狙いどころはこれに留まらず(これだけでも致命的なのに…)、たとえば「ロシア対外経済銀行」のような国策銀行もまた殺されにかかっています。この種の銀行は世界どの国の政府も持っている極めて重要な銀行で、海外に出ていった企業への安定した資金供給の他にも外債を起債して国外企業への資金供給やロシア国内にカネを直接流し込む重要な入り口の役割を担ったり、海外資産の購入などの「主要窓口」でもあり、運用資金の多さと内容から政府の生命線の一本になるほどですが、もうダメでしょう。取引禁止になった段階でカネの補充のメドが絶たれ、残った外債が返済できなくなった時点でデフォルト(下手すれば国家デフォルト認定)です。
実際、金融総攻撃が始まった初日だけでライファイゼン銀行やガスプロム銀行などの主要銀行の格付けが準ジャンク級に格下げされたようで(S&P)、そもそもロシア金融機関が投機的格付に下がっておりました(残当)。ロシア民間金融機関はさしあたり一回全滅でしょうね。
金融機関の総潰滅は民間企業の窒息死に繋がります。このため世界の主要銀行および民間企業はロシアとの合弁会社との提携解除や清算に追われています。民間企業もまた世界から切り離され、生産できないためにカネを生み出せないばかりか社債などの債務に追われ、ここに前述の資金不足が重なって倒産連発になると思われます。失業者多数であり、市場が長期に渡って回復できなくなるかもしれません。
実業もそうで、稼ぎ頭で頼みの綱でもあったエネルギー系企業への日米英欧州制裁が特にひどく、BPはロスネフチ(ロシア石油最大手)株全売却で撤退。シェルは極東のLNG事業から撤退を決めました。ロシア国内企業も死にかけているわけですが、しかし売却しようにも「ロシアの資産は決済にも企業活動にも使えない」ことから買い手が見つからず売却することさえ難しいほどの悲惨な状況です。原油価格はこのウクライナ紛争のために高騰してますがドル決済から切り離され、しかも主要銀行取引差し押さえ…では利益を手にすることさえ出来ません。中国国内にダミー会社を作ってバレるまでは利益を回収したら良いよ…というのがワイのせいぜいの助言ですが、中国さんがそこまで付き合ってくれるかは未知数です。どっちにしろ、いずれ中国人に安値で買い叩かれるのでしょうし(もしくは差し押さえ物件)…。
いっそ中国の24番めの省になったらいいよ(ご提案
てか中共は外蒙古(ウラディヴォストーク含む沿海州地域)を自国領土といい出しているんですが、中国に対する備えはしなくていいんですかね?
ロンドン証券市場におけるロシア企業の預託証券取引でも激しい浴びせ売りを食らっていて、いま述べたズベルバンク、マグニ卜(小売大手)、ガスプロムやルクオイル(エネルギー)は6-7割安と、もはや回復不能なダメージです。超大手でさえこの状況なので、ロシア国内の企業は更に絶望的でしょう。前述のようにルーブル防衛のために全資産を供出するよう命令されているために、将来に備えた資産をここで使い切る…という愚策は、むしろ民間余力の早期の消失→倒産・失業祭りを招くと思われます。例えて言うならばドイツ軍陣地に横隊突撃を繰り返して早期に戦力をすり潰したWW2開戦劈頭時のような悲惨な光景で、ロシアの全産業・全企業は国内外で総攻撃を受け、ほぼ潰滅…の感じです(爆
こういう場合は持ちこたえられなくなった段階で突然、失業者とホームレス爆増という展開をたどるもので、かつて実際に国家破綻した韓国の事例でした。ただし韓国は民間資金が当時はバブルっていたので潤沢にあったために暫く持ちこたえたのであり、万年インフレ+国民資産の少ないロシアで、しかもウクライナ戦線で多額の出血を強要された挙句、企業資本をルーブル防衛戦で無駄遣いした…では、かなり早い時期に逝っちゃってもおかしくないですね、こりゃ…(白目
参考資料
字幕:「何もかも地獄」 ルーブル急落におびえるロシア人
https://www.afpbb.com/articles/-/3392579
誰も彼もが、保健所で安楽死をまつ小型犬のような瞳をしていましたね
残念ですが、皆さんのご想像通りになるでしょう…(๑¯ω¯๑)
てか、一日に何社も清算・撤退が続いていますよ。
いちいち書ききれないので、もうやめますが…
ロシア中銀 ←ほぼ破産
ロシア中銀は速やかに短期市場(≒民間)に無限通貨供給を約束し、地金のGOLDの購入(ロシアは金を産出しており、中銀が購入することは金融緩和と同意)・レポ取り(債権を購入して市場にカネばらまく)などで対応。しかしどうやら2/28日の半日だけで1-2兆円が市中銀行から流出したらしく、通貨防衛(対インフレ防御)のため政策金利を8.5%からいきなり20%に引き上げました。インフレ対策と通貨防衛のためですが、この金利は「破綻国家」として有名なトルコの政策金利14%を一瞬で抜き去り、既に破滅状態です。ワイ的にはこの数字に来るのに一ヶ月くらいはかかると思っていたのですが、いきなり半日ももたなかったということで想定外でした。瞬殺されたのです。おそらくロシアからみても「全く次元の違う規模の全天全面報復打撃戦」だったのでしょう。
ロシア中銀は、ロシアという国家のGDP規模が10数番目と小さい割には潤沢な資金を保有しており、これは「万が一に備えて」過去数年に渡って必死になって溜め込んできた結果です。実額でおよそ74兆円は世界第五位で、これは「異様に大きい」額で…
メドベージェフ「資金は潤沢にある( ー`дー´)キリッ」
…のタワゴトの根拠だったのでしょう。おそらく西側との戦争に備えての資金なのでしょう。プーチンたちが国民にカネを撒くこともせず、結果として国民資産が増えず国内市場も小さく国民は貧乏で貧富の格差も大きいという脆弱性を引きずったまま、「爪に火をともす」ような思いで必死になって溜め込んだ「なけなしの大切なカネ」でした。日本などでは国債刷りまくって市場放出し、その結果、派手なインフレ発生したものの信用創造の効果で中〜下層階級にまでカネが行き渡ってバブル発生した…という70-80年代の「国家金満化政策」の真逆の政策で、国家防衛を第一に考えた「国が多額のカネを溜め込んでおき、イザとなったら取り崩して使う」という「ロシア人って、意外と堅実なんですね(^m^)」な優秀さでしたが、日米英欧州連合軍の金融攻撃があまりにも大規模で徹底しており、
…( Д ) ゚ ゚
い、一瞬で消えちゃった(爆死
…になりました。いままでの決死の努力と必死の苦労は「全く無意味」になっちゃったと言うことです。今回の日米英欧州のドル決済締め出し+露中銀攻撃は「過去、人類史上前例がないほど凄まじい」金融総攻撃であり、同時多方向からロシア官民に対して無数の致命的な精密攻撃を集中して受けまくったために、到底持ちこたえることが出来なかったということです。あまりに無慈悲な全面攻撃で、感覚的にはロシア全土に5000発くらいの全面核攻撃を加えたのと同じ程度の効果があったのではないでしょうか? 民間はすでに即死で、死者が出てないからわからないだけで、生きているロシア人はもう死んでいます。つまり「国ごとゾンビ」です。溜め込んでいた資産を活用する方法が全くないのです。そしてその資産さえ消えて失くなったというわけです…
ロシア中銀の資産の内訳はパラパラ出てくるようになりました。露中銀の一年前のバランスシートを見てみると、大体74-75兆円規模のうち凡そ32%がユーロ債権(うちフランスが12%弱)。次に大きいのは地金のGoldで21%くらいだそうです。いまザッと計算すると15兆円くらいの感じになるのでしょうかね?? その次は中国人民元。パーセンテージで13%。日本円も10%くらい抱え込んでいたようです(驚き…。
露中銀総裁ナビウリナ、頑張ったネー…(  ̄ー ̄)y-~~
アセットの分散は基本だし、綺麗な会計と情報公開は素晴らしいと思いました。露中銀は本当に綺麗で真面目な銀行だったのですが…
他方、米ドルは殆ど処分したようです。約6%。英国が4.5%。当然、米英から金融制裁を受けるであろうを見越しての対処でした。どうもクリミア半島併合後、保有していた米国債(全資産のほぼ8割)を一気にほぼすべて放出してフランなどのユーロ系に切り替え(≒ユーロ)さらに円、人民元に分散投資していた痕跡が伺えます。またGoldを大量に購入し、Goldで守り(←最悪の時、取り崩す≒その分を担保として何倍もの規模で通貨を発行できる)多彩な債権で金利収入を得たり売買益を狙っていたのでしょう。これなら米ドル禁輸をうけても他の国の資産からの金利収入や売買利益が見込めるはずでしたが、よもやの人民元を除く全ての資産が凍結されるという前例のない事態に陥り、Goldと人民元以外は紙くずになりました。
さらに考えられるのは西側自由主義連合軍が「ドル決済の全面禁止」の後、その効果を見極めながら同時に必ず発生するであろう「ルーブルの大暴落」を確認してから「ロシア中銀の資産凍結」という手を打ってきたのではないかと思われる事です。この順番ははじめから決めていた可能性があります。というのも全面金融攻撃を加えたとしても「地金のGOLD」が大量に残っており、この15兆円のGoldはロシアの対西側制裁に対する最後の防波堤が期待されていたわけで、これを殺さないと意味がないのです。
ロシアは当然、官民で対外債務(国内でも借金してるのは言うまでもない)を抱えていて、この支払いに常にカネが必要ですが、ここでドル決済停止をかけて海外からの資金流入を阻止すればルーブルの価値を暴落できます。収入が潰されても借金は残るからです。同時に物流も阻止されたので、すべてが自給できる体制を構築していなければ当然、全産業が共連れで破滅します(しかし、すべてが自給できる国なんて「ありえない」)。此処でルーブル防衛で中銀および民間に外貨を放出させて戦力を無駄にすり潰させた後で中銀の資産凍結で外貨取引を停止すれば、ロシア国内で価値がゼロになったルーブルしか存在しなくなる。この段階で仮にGoldが15兆円あっても…
「交換できるカネは紙くずのルーブルのみ」
…という状況が演出出来るわけです。
ロシアの選択肢は二つしかなく、大切な地金のGoldを紙切れと交換するか、さもなければタダの金属のカタマリとして残しておくかしかない…それも餓死しそうな時に舐めることもできない高価なクズ鉄にしかならないという恐るべき攻撃だったわけです。「売却すればよい」という意見に関しては「金取引まで全面制裁が及んだらどうするのか?」という一言で終わりです。実際、デフォルト起こした国の現物資産(Goldなり不動産なり)は外貨との交換が出来なければ流動性が死ぬ(カタマリとして残しておくしか無い)のは自明のこと。いくら持っていても死蔵にしかならないわけで、だからこそ先にルーブルを潰しにかかったのではないか…と??
す、すげぇ…(@_@;)
今回は本気すぎで、過去の経済制裁とは全く比較にならない大規模かつ致命的なものになっています。おそらく対日戦争直前の米英による全面金融制裁(=いわゆるABCD包囲網の本質)を超える規模だと思われます。米英が民間市場、特に債権市場に大きな影響力を持ち続けていることと、世界の資金需要の約4割を押さえるヨーロッパも金融取引でロシア制裁に加わったことでロシアの息の根が止まるだろうことが予想されます。
そもそも僅か半日で政策金利を20%まで一気にあげねばならないほどルーブルが大暴落すること事態「ありえない」ことで、この後の露中銀資産全凍結の場合、使えそうなのは中国人民元くらいのものですが、人民元で損失額すべてをどうやってカバーなんか出来るのか?…という根本問題が出てきます。中国はロシアの国家破綻を望まないでしょうから救済はすると思いますが、ロシアというデフォルト不良債権国家に多額のカネを貸し込むリスクを負えるのか? なにより日米英欧州に、
次はおまえだ!! m9( ゚Д゚) ドーン!
…と手薬練ひいて待ち構えている、そろいも揃って反中国な西側諸国たちにエサを撒くようなリスクを取るとは思えないのです。よって「中国および中国企業にとって必要な分」だけ支援するのではないか←それほど大規模な救済はしないのではないかと推測できるのです。中国人はロシア人にとっての「プレスター・ジョン」にはなり得ないということです。
【 後編に続く 】
後編はこちらです…m(_ _)m
2025/1/5 P.S.
正直な話、ワイがこの対露経済制裁に大変興奮しているのは事実です。「物凄く素晴らしいものを見ることが出来たヽ(^o^)丿」という感激と感動があるのです。
ワイはもともと「戦争こそカネ(=戦時債務)」であり、戦争を決するのは金融経済制裁だと確信があるため、生きている間に一度でいいから全面金融制裁という惨劇を見てみたかったのです。ちなみにですが、今回の対露全面金融制裁をもし今の日本が浴びたら、多分、3日で日本は破産します。そのくらい凄まじいものだったとお考えください。
これは普通のロシア人にとっては地獄です。そして「露助は全員戦争犯罪人だから餓死してもよい」とは「思っていません」。よって戦後、仮にロシアが崩壊してもロシアに対して過酷な戦後補償を求めるべきではないというのがワイの立場です。戦後のロシア救済もまた、ウクライナ救済と同程度に重要なことだ、ということです。
しかしそうした道義や理性を脇に置いても「どうしてもみてみたかった事」であり「知りたかったこと」でもあったのです。他人の死を自分の死と同じく考え、その痛みと恐怖を知りたいのです。他人の経験を自らの知恵とできるかどうかが賢人か否かの差であると考えてもいますので…m(_ _)m