歌劇「フィガロの結婚」(@びわ湖ホール)について
3月に「マイスタージンガー」を聴いて以来、2回目の「びわ湖ホール」である。
今回の演目は、新しい芸術監督の阪哲朗による「フィガロ」で、指揮だけでなく、フォルテピアノによる伴奏も自身で行なうというもの。
会場は中ホールであり、管弦楽も小編成。「フィガロ」だと、これくらいの規模のオケの方が騒々しくなくて良いのかもしれない。
演奏は、良くも悪くもケレン味なく、サクサクと進行するような感じ。歌手陣は、伯爵夫妻、フィガロ、スザンナ、ケルビーノの5人とも悪くない。
注文をつけるならば、フィガロと伯爵の2人の役を演じるバリトンの声質がわりとよく似ていて、ついでに言うと、容姿もちょっと被っていたので、紛らわしく感じる場面もあった。5人の中では、スザンナ役のソプラノが声も演技もいちばん好印象。
「フィガロ」は楽曲1つ1つは好きなのだが、ストーリーはちょっとダレるところがある。特に第2幕の終わりの方とか、最終幕のドタバタするあたり。第2幕の終わりの方では、やはり居眠りをしてしまった。
「マイスタージンガー」を観た時の記事にも書いたかと思うが、ホールも悪くないし、公演自体も悪くなかったのだが、観客の「民度」は今回も相変わらずという感じで、少々、残念な印象を持った。最終幕のフィナーレで手拍子をする観客がいたのには閉口した。オペラでああいうのは初めてであった。僕から見て、通路を隔てて右端の方に座っていた観客である。その御仁は、アリアが終わったところの拍手も、毎回、かなりフライング気味であった。オペラ観劇に慣れていないのかもしれないが、ちょっと気負い過ぎなのか、単にモノを知らないのか。誰かが注意してやった方が良いのだろう。
14時開演で、終わって会場を後にしたのは、17時半頃であった。10月中旬ともなると、さすがにこの時間になると、外は薄暗かった。
来週の22日(日)は、フェスティバル・ホールにて、クラウス・マケラ指揮のオスロ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートを聴きに行く。来月は、いよいよ、キリル・ペトレンコ指揮のベルリン・フィルのコンサートも聴きに行く予定である。