近所づきあいについて
台湾で、今月3日、マグニチュード7.2の地震が発生。最大震度6強を観測したという。日本も台湾も地震国であり、他人事ではない。
で、<上川陽子外相は5日の記者会見で、台湾東部沖を震源とするマグニチュード(M)7.2の地震を受け、台湾に100万ドル(およそ1億5000万円)規模を支援すると発表した。緊急無償資金協力で日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会を通じて渡す。>という記事を読んで、少し違和感を持った。
何に対する違和感かと言うと、金額についてである。
100万ドルというのは、個人にとってはもちろん大金であるが、政府の支援としては、どうなのであろうか。
先般の能登半島地震の時の、台湾からの支援はどうだったのか。
<中華民国(台湾)外交部は4日、被災地の復興支援として、中華民国政府から日本に対して義援金6,000万円を提供することを発表した。それに続いて今月26日には、台湾の市民から寄せられた5億4,000万台湾元、日本円にして約25億日本円を復興支援として日本に寄付することを明らかにした。>とある。
台湾政府からの義援金が、60百万円だから、150百万円も送っておけば、十分であろうという考え方も成り立つかもしれない。
でも、台湾は、人口23百万人ほどの小国である。もちろん、近年の経済成長は著しく、1人当たりのGDPでは、既に日本を凌駕している。
が、それにしてもである。
東日本大震災の時には、台湾からは、200億円以上の義援金が集まったという。今回の能登半島地震でも、政府からの義援金以外に、民間からの義援金が、約25億円も寄せられている。
親切な隣人に対して、あまりにセコいという感じがしないだろうか。
理由は明らかである。台湾と日本とは国交がないからである。それと、台湾と日本があまり仲良くすると、それを不快に思う別の国が存在するからである。
近所づきあいというのは、持ちつ持たれつでないと成立しない。好意を持ってくれる隣人に対しては、こちらも好意で応えなければならない。困った時もお互いさまである。
にもかかわらず、明らかにこちらに対して好意を持ってくれる隣人が困っていても、たいした支援もせず、先方から多大な支援をしてもらっても、たいして謝意も表さず、こういう近所づきあいは正常ではない。国同士のつきあいも、基本的には個人同士のつきあいの延長線上である。
いろいろとオトナの事情はあるかもしれないが、義理と人情というものを、もっと大切にしたいものである。
ということで、政府が義理を欠くのであれば、せめて民間での義援金に僅かばかりでもと思って、いろいろと調べてみると、日本赤十字社を始めとして、いくつかの団体が義援金を受け付けている。
僕も、ほんの少しではあるが、日本赤十字社の口座に振り込みをすることにした。
なお、こういう状況においても、悪知恵を働かせる輩がいるようなので、偽サイトには十分に気をつけた方が良い。