「ここだけの話」について
「ここだけの話だけど」というのがあるが、たいていの場合、「ここだけ」では終わらずに、方々に拡散していくことになる。
会社の中でも同様である。
ごく限定されたメンバー、たとえば経営陣と呼ばれる人たちだけで集まって、本音ベースの会話をしているような場面で、「ここだけの話だけど」と、あまり一般社員には聞かせられないような話をしたとする。ホントに「ここだけ」で終わるかというと、水が染み出すように少しずつ社内のあちこちに伝わっていき、しばらく経つと、結構な人数のメンバーにとって既知の話になっていたりするものである。
だから、聞かれたら困る話ならば、断じて言わないか、ホントに信用できるというか、利害関係が完全に一致しているごくごく少数のメンバーだけの間で秘匿しておくしかない。
だが、それでもリスクは残る。将来のことはわからないからである。喧嘩するかも知れないし、いつまでも利害関係が一致しているとは限らないからである。
今のように人の流動性が激しい世の中において、1年先のことであろうと誰にもわからない。
口外した以上、いずれは漏れ伝わっていくものだと覚悟を決める必要がある。それが嫌ならば、自分の腹の中だけにとどめておくことであろう。